「患者救うため、まず一歩」 iPS心臓病治療で慶応大会見

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って心不全を治療する臨床研究が27日、厚生労働省の作業部会で了承されたことを受け、慶応大の福田恵一教授が会見し「患者を救うことを目指し、まず一歩を進めたい」と意気込みを語った。

 日本の心不全患者の半分に当たる約60万人は、今回の臨床研究の対象となる病気と同様に、心筋が失われる症状だという。

 福田教授は心筋の再生による重度の心不全治療について、1995(平成7)年から世界で一番早く取り組んできたと説明。「やっとここまで到達した。了承していただき、ありがたい」と感慨を述べた。

 iPS細胞による心不全治療は大阪大が先行し、今年1月に世界初の手術を実施した。これについて「後から始めたところに遅れたが、ウサギとカメではないが、患者を救うために、あえてカメを選択して着実に研究を進めた結果、かなり完成された技術にできた。技術こそが全てだ」と述べた。

 心筋シートを移植する阪大との違いについては「シートは移植してから数カ月で消滅するが、われわれが移植する心筋球は、心臓と一体化して生き続けることが大きな違いだ」と説明した。

 慶応病院で臨床研究の対象患者を選び始めており、今年度後半に最初の移植を行う予定で、「できるだけ早く、この治療法を多くの患者に届けたい」と意欲を見せた。

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