夏休み短縮「寂しい」 専門家「ゆっくり過ごさせてあげて」 都内公立小中、日数にばらつき

 新型コロナウイルスの影響で臨時休校が長期化し、多くの学校で学習の遅れを取り戻すために夏休みを短縮、1日から夏休みがスタートする学校も多い。東京23区でも夏休み期間が16~31日間と各区でばらつきが出るなど、学校側の判断の難しさが浮き彫りになっている。夏休み恒例のプール登校やコンクールの課題提出も中止などの学校が相次いでおり、異例の夏休みが始まる。

 ■タブレットで相談

 文部科学省によると、休校措置を取った全国の1794教育委員会のうち、6月時点で95%に上る1710教委が夏休みの短縮を決めた。

 8月1日から夏休みが始まる東京都墨田区立第三吾嬬(あづま)小では31日、全校朝会が行われ、川中子(かわなご)登志雄(としお)校長が教室に設置された画面越しに「今年はいつもの夏のようにはできないことがたくさんあるかもしれない。家庭で過ごしている間も、自立・共生・健康を忘れずに、元気で過ごしてください」とあいさつ。6年の為我井(ためがい)寿希也(じゅきや)君は「サッカーのセレクションでの合格に向けて頑張りたい。休みが少なくなるのは寂しい」と話した。

 東京23区の公立小中学校の夏休みは例年だと7月21日~8月下旬だが、今年は全区で短縮。最も長い世田谷区が1~31日▽渋谷区1~30日▽中野区8~31日▽3区が1~24日▽9区が1~23日▽4区が8~24日▽4区が8~23日-と各区で対応が異なる。

 渋谷区では、小中学生にタブレット端末を1人1台付与しており、休暇中も個別での面談や質問を受け付ける。区教委は「夏休みを極端に短くしなくても、子供たちに学習を定着させられると判断した」と話す。

 休暇中の課題は各学校で対応が分かれるが、基本は減らす方向だ。杉並区では「応募ポスター提出が課題の学校のうち、今年は免除としたところもある」。港区ではコンクールに出すポスターや俳句などについて、「門戸は広げて強制ではなく、出したい人は出してもらうよう周知している」とする。

 また、プールを中止している学校も多い。品川区では、「コロナの影響で健康診断を受けていない子供が多い上に、更衣室などで3密を防ぐことが難しい」とし、中止を判断した。夏休みの短縮以外にも多くの区で土曜授業の回数を増やしたり、行事を中止するなどして学習時間の確保に苦心している。

 ■「無理しないで」

 夏休みの短縮に伴い、塾の夏期講習にも変化が出ている。大手進学塾「栄光ゼミナール」は例年、夏期講習を午前中から開いていたが、今年は夕方以降に開始する。また、動画配信の授業と通塾、オンライン講義の組み合わせを選択できるなど、保護者や子供のニーズに合わせて幅広く対応している。

 こうした状況に対して、千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「子供たちはこの半年、きつい生活を強いられてきて疲労やストレスが大きい」と指摘。夏休み後も授業が増えたり、行事が中止になる可能性が高いとして、「再びストレスがたまる可能性があるので、夏休みは普段以上にケアして、あまり無理をさせず、夏休みぐらいはゆっくり過ごさせてあげてほしい」と話した。

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