埼玉知事「Go Toは時期尚早だ」 東京除外「やむなし」大勢 

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた観光支援事業「Go To トラベル」で、東京都発着の旅行が割引対象から除外された。都内の人が訪れるスポットが多い埼玉県の観光関連事業者にとっては、長引く苦境に追い打ちをかけられた形だ。とはいえ、都内での深刻な感染者増加傾向は無視できず、大野元裕知事は17日、「Go To」について「時期尚早だ」との認識を重ねて示した。

 感染拡大が埼玉県の観光業界に与えている影響は甚大だ。

 県物産観光協会が県内を中心とする観光事業者を対象に実施したインターネット調査(有効回答118事業者)によると、3~5月の売上高が前年同期に比べて減ったと答えた事業者は約9割の104に達した。このうち62事業者は「50%以上減少した」と回答した。

 県内の市町村と観光協会に対して行った調査(有効回答48団体)でも、観光スポットを訪れた5月の客数が前年同期比で「70%以上減少した」と答えた団体は28に上った。

 事業者対象の調査では、6~8月の売上高についても、104事業者が「減少する見込み」と回答し、32事業者が「50%以上の減収見込み」という厳しい観測を示した。

 展望が開けない中、少なからぬ県内の観光業界関係者は、局面打開の一手として「Go To」に期待を寄せていた。とはいえ、東京都での感染拡大が深刻化する中、割引対象からの除外はやむなしとする受け止め方が大勢を占める。

 県物産観光協会の幹部は「県外からの旅行客に対しては、観光地側にも不安がある。『まずは近場から』だ」と話す。

 大野知事は「東京だけが感染の源になっているわけではない。(首都圏)全体で考える必要がある」との認識を示し、埼玉県民に対し「観光の目的地として東京を選ぶことは避けてほしい。行くなら県内、もしくは近場に限ってほしい」と呼び掛けた。

 社会経済活動回復と感染拡大抑止の両立-。大野知事をはじめ多くの自治体トップが異口同音に訴える目標は、改めてそのハードルの高さを際立たせている。

(中村智隆)

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