日本人初の月面着陸、日米が合意 10年以内にも実現

 日米両政府は10日、日本人宇宙飛行士が初の月面着陸を行うことを盛り込んだ月探査協力に関する共同宣言を発表した。2020年代後半にも実現するとみられる。米国の月探査計画に参加する上で焦点だった日本人の着陸で合意したことで、日本の有人宇宙開発は大きく前進することになった。

 共同宣言は、米国が国際協力で建設する月の周回基地と月面において「日本人宇宙飛行士の活動機会を可能とするための取り決めを策定する」と明記した。今後は着陸時期や人数、活動内容などを詰める。

 米国はアポロ計画以来、約半世紀ぶりに有人月面着陸を行う「アルテミス計画」に基づき、24年に自国の飛行士が着陸する。その後、日本人の着陸機会が訪れるとみられる。これを受け宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月に向かう飛行士の選抜を本格化する見通しだ。関連予算の確保も課題となる。

 米国は新型の有人宇宙船と大型ロケットで月に向かう計画で、日本人もこれに相乗りする。月の上空を周回する基地「ゲートウエー」を建設し、ここを拠点に月面へ降り立つ構想だ。

 共同宣言では日本側の協力として、トヨタ自動車とJAXAが29年の完成を目指す月面探査車の開発も盛り込んだ。JAXAが22年度の打ち上げを目指す月面着陸機「スリム」の観測データも活用する。

 また周回基地の建設では、23年に打ち上げる小型の居住棟に日本が電源機器などを供給。日欧が共同開発する大型居住棟は25年に打ち上げられ、日本は環境や生命維持用の装置、電源機器などを提供する。物資補給機「こうのとり」の後継機の活用も検討する。

 日本政府は昨年、米国の月探査計画へ参加する方針を決定し、日本の役割について協議を続けていた。

 JAXAを所管する萩生田光一文部科学相と米航空宇宙局(NASA)のジム・ブライデンスタイン長官が共同宣言に署名した。

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