藤井七段3日に1局ペース、異例の過密日程の両者 あすヒューリック杯棋聖戦第2局 

 28日に第2局が行われる将棋の渡辺明棋聖(きせい)(36)=棋王(きおう)・王将=に高校生棋士、藤井聡太七段(17)が挑む産経新聞社主催の第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となった棋戦が6月に相次いで再開し、両対局者は異例の過密日程に直面している。棋聖戦だけでなく、並行してほかのタイトル戦にも出場しているからだ。特に今月の藤井七段は3日に1局のペース。どの対局も重要なだけに、体調管理などコンディションの調整がより一層求められる。

 新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言に伴い、日本将棋連盟は、4月11日から5月末まで、公式戦が行われる東京や大阪の将棋会館まで長距離移動を伴う対局は延期となった。

 4月開幕予定だった名人戦七番勝負と叡王戦七番勝負といったタイトル戦が相次いで延期。6月開幕予定だったヒューリック杯棋聖戦も、挑戦者を決める決勝トーナメントが進んでいたが、準決勝を前に延期となっていた。

 緊急事態宣言の解除を受け、各棋戦が6月に相次いで再開。棋士は一般的に1週間に対局が1回あるかどうかで、忙しい棋士で週に2回。ところが藤井七段は6月だけで9局あり、3日に1局を戦う状態だ。しかも愛知県の自宅からは対局場の多くが長距離移動となり、宿泊も必要となる。

 藤井七段はさらに、1局に2日費やす2日制の王位戦七番勝負の挑戦者になったことで7月も忙しい。6月28日に都内で棋聖戦第2局を戦うと、7月1、2日に愛知県豊橋市で王位戦の第1局を戦う。新型コロナの影響で日程がハードとなっているが、藤井七段が勝ち続けていることも拍車をかけている。

 渡辺棋聖も2日制の名人戦の挑戦者で忙しい。都内在住の渡辺棋聖は、激戦だった棋聖戦第1局の翌日に三重県へ移動し、6月10、11の両日、名人戦第1局を戦った。18、19日には山形県で名人戦第2局を、25、26日には都内で名人戦第3局を指した。

 座っているだけのように見える対局は、脳をフル回転させ、エネルギーをかなり消耗する。アマチュア全国大会で活躍する大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員、古作登(こさくのぼる)さん(57)は「対局中も食事したりお茶を飲んだりしますが、体重が1・5キロは落ちます。疲れで翌日は仕事にならないくらい」と説明する。

 一方、藤井七段の師匠、杉本昌隆八段(51)は「藤井七段は17歳でまだ若く、忙しいことは苦になっていないのでは。対局が多いことが、次の対局の調整になっている」と話した。(中島高幸)

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