囲碁の芝野名人、無傷で最速3冠なるか 26日に注目の十段戦第4局

 将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(17)による「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」での史上最年少タイトル獲得の可否が注目される中、囲碁界でも大記録達成が現実味を帯びてきた。芝野虎丸二冠(20)が第58期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局までで村川大介十段(29)に2勝1敗とし、最年少・最速3冠にあと1勝と迫っているのだ。無傷での3冠となれば、史上初の快挙となる。

 囲碁のタイトルを同時に3つ以上持った棋士は、昭和50年まで14期続いた「旧名人」を含め9人いる。最年少は、囲碁界第一人者の井山裕太三冠(31)の23歳1カ月。ただ、全7冠を2度も独占した井山三冠でさえ、初挑戦の名人戦(平成20年)で奪取を逃すなど、3冠保持までに9戦を要した。昭和最強棋士の一人である坂田栄男二十三世本因坊(1920~2010年)はプロ29年目での3冠達成だった。

 トーナメントやリーグ戦を勝ち抜いて挑戦者になり、前年覇者と戦う。その逆に、タイトル保持者として挑戦者を迎え撃つ-。いずれにせよ、タイトル戦では強い相手と3~7局続けて戦う必要があり、複数タイトルを保持し続けることは容易ではない。

 昨秋、史上最年少(19歳11カ月)で七大タイトルの一つである名人を獲得した芝野は、続いて王座も奪取。タイトル2戦2勝で十段戦、そして今月開幕の本因坊戦七番勝負に臨んでいる。

 芝野と同時期にプロを目指す日本棋院の院生になり、1年早くタイトル(碁聖)を獲得した許家元(きょかげん)八段(22)は「先の展開を読む速さ、正確さが抜群」と好敵手の強さを語る。また現在、本因坊戦で対戦中の井山三冠は「独特の感性を持ち、日本を代表する棋士であることに間違いない」と芝野の実力を認める。

 17日の十段戦第3局で、芝野は苦しい展開を粘っているうちに相手のミスを誘い、逆転勝ちした。「まだ厳しい対局が続く。次も気を引き締めて頑張りたい」と前を見据える。一方、昨年5冠を保持していた井山を破り、十段を奪取した村川も1期で譲るつもりはない。「気持ちを切り替えて臨むだけ」と話す。

 囲碁界でも歴史を塗り替える大記録が生まれるか。注目の第4局は26日に打たれる。(伊藤洋一)

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