認知症は発見が遅れるとその後の経過にも影響…過信せず「未病段階からリスク評価」を

 【一生働く!】〈健康編〉健康寿命の延伸(4)

 認知症は発見が遅れると、その後の経過にも影響する。元気な中年期から、認知機能の状態を把握し、未病段階からリスク評価しておくことが大切だ。

軽度であれば維持・回復が可能

 厚生労働省によると認知症は2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が発症するとされる「国民病」である。

 認知症の根本的治療法は、現時点では確立されていない。近年注目されるのは、認知症の前の段階であるとされる軽度認知障害(MCI)で、現在400万人いるとされる。MCIの段階で早期発見し改善を図ることで、認知機能の維持や回復、認知症の発症のタイミングを遅らせることができる。

民間企業と協業。早期発見目指す

 訪問看護事業を展開するミレニア(東京都中央区)は、国内初の簡易認知機能スケール「あたまの健康チェック?」を開発・提供する。認知機能低下の訴えのない健康な人から受検でき、10分間の対話式テストで被検者の微細な認知機能の状態を0~100の指数値で分かりやすく経時評価することができる。

 同社は「体重や血圧のように認知機能の状態を知ることが大切」とし、50歳からの定期チェックを推奨している。

 一般的な認知症の検査は、認知症の疑いがある患者が病院で問診・検査に当たり、結果を受領するまで1週間程度かかるが、同チェックは対面実施の必要がなく、電話やビデオ通話を通じた運用が可能であることもメリットだ。

 神奈川県など国の認知症予防事業の公式認知機能検査に選択されるほか、医療機関・健診センター、地方自治体、大学・研究機関など広域に採用される。

 コロナ禍で同サービスが再注目され、愛知県尾張旭市は、5月25日から新型コロナの影響で自宅自粛中の高齢者の健康増進支援のため同チェックを活用することを決定した。

 認知症は加齢とともに誰にでも起こりうる症状だが、良質な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動、知的活動や社会的交流を通して認知機能を使うことで予防が期待できる病でもある。「自分はまだ若いから」などと過信せず、コロナ後の新しいライフスタイルに「認知症予防」という項目を追加しておこう。(「オレンジ世代」取材班)

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