「外出できる」「再出発」…県民ら安堵 埼玉

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が全面解除された25日、埼玉県の県民や飲食・観光業界関係者の間には安堵(あんど)の声が広がった。

 「これまでコロナが怖くて外出を控えていた。宣言解除はうれしい。外出できるし、飲食店も開く」

 さいたま市浦和区の男性会社員(38)は、宣言の解除をこう歓迎した。ただ、職場がある東京都内への通勤には不安も感じているといい「先週から人が増えている。通勤電車での感染が不安だ」と懸念を口にした。

 「群馬県桐生市に住むひ孫が久々に遊びに来ることになったので、楽しみで仕方ない」と喜ぶのは、埼玉県ふじみ野市の自営業、赤野清さん(73)。「4、5月は、買い物の回数を抑えるなど、できるだけ県の外出自粛要請に協力してきた。普段の生活に戻れる日を心待ちにしている」と期待を込めた。

 さいたま市内の公園で妻(39)とともに長男(1)を遊ばせていた同市大宮区の男性会社員(36)は「新たな感染者判明が基準以下になり、この段階の解除は適切ではないか」。同市浦和区の男性会社員(69)は「クラスター(感染者集団)も減ってきているし、往来も少なくなった。みんながどうすれば感染しないかを分かってきている。もう少し早く解除してもよかったのではないか」と語った。

 感染拡大で甚大な影響を受けてきた飲食業界や観光業界の関係者も一様にほっとした表情を見せた。

 さいたま市浦和区の居酒屋「あな蔵」の店主、吉田岳史さん(39)は「新型コロナウイルスの影響で、接点の少なかった近隣の飲食事業者と連携して先払い式のチケットを販売するなど明るい動きも生まれた。苦しい状況は続くが、事業者間の絆を生かしながら再スタートするつもりだ」と前を向いた。

 埼玉県川越市を中心に観光バス事業などを展開する「イーグルバス」社長の谷島賢さん(66)は「緊急事態宣言の解除は喜ばしいが、人出の増加は感染リスクの上昇につながる。万が一クラスターが発生すれば、これまで築いてきた川越の観光イメージの低下につながる」と強調し、「まだまだ気を緩めるわけにはいかない。運行本数の間引きなどを行いつつ、徐々に通常営業に戻していきたい」と表情を引き締めた。

(竹之内秀介、内田優作、中村智隆)

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