感染の全体像つかむ抗体検査 外出自粛の科学的根拠に

 新型コロナウイルスの感染拡大が収束傾向にある中、流行の第2波に備え、感染歴を調べる「抗体検査」に注目が集まっている。PCR検査や抗原検査では困難だった国内の感染実態を把握できるため、次の流行時に想定される感染者数を割り出し、外出自粛など行動制限の判断に生かせると期待される。ただ、検査精度や免疫獲得効果の国際的な評価も定まっていないなど、課題も残る。

 ■「過去の感染歴」を見る

 PCR検査や抗原検査が体内にウイルスが存在するかを調べ、その時点での感染の有無を診断するのに対し、抗体検査はウイルス感染から一定期間後に体内にできるタンパク質(抗体)を測定することで、過去の感染歴を見極める。個々の感染の有無より感染の全体像が分かるのが特徴だ。

 これまではPCR検査の能力に限界があったほか、軽症や無症状の感染者で無自覚のうちに回復した人も多いとみられ、国内の感染実態を正確につかめていないとされる。4月までに実施された複数の抗体検査の結果からは、公表されている累積感染者の数十倍から数百倍の感染者がいるとの推計も出ている。

 東京大の研究チームが今月初旬に都内の医療機関を受診した500人の血液を調べたところ、3人(0・6%)から抗体を発見。単純計算では約1400万人の都民のうち約8万人が感染していたことになり、判明している約5千人の累積感染者の16倍に上る。

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