「2025年万博に次の社会の提示を」 関西大オンラインセミナー「ポスト・パンデミックの世界を問う」

 政府が実施した新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言解除の判断が迫る中で、関西大学社会安全学部と産経新聞社は22日、オンラインセミナー「危機の時代 新型コロナウイルスが突き付けたクライシス」最終回を開講し、約200人が聴講した。感染症政策、公衆衛生が専門の高鳥毛敏雄教授は「現代のライフスタイルは、コレラパンデミック(世界的大流行)による社会の変化が由来だ。過去の感染症が生活スタイルを変えてきた」とした上で、2025年大阪・関西万博で「新型コロナにあわせ、次の社会の姿を世界の人に提示すべきではないか」と提案した。

 最終回は「ポスト・パンデミックの世界を問う」をテーマに、新型コロナ後の社会のあり方などを、高鳥毛教授と、危機管理政策に詳しい永松伸吾教授が講義した。

 高鳥毛教授は、日本で行われた新型コロナ対策について「日本の感染症対策のフレームワークは、40年間にわたって毎年多くの死者を出してきた結核対策でつくられ、その実務は全国各地の保健所が担ってきた。新型コロナでは、その保健所が実務組織としてフル回転した結果、うまくいった。これは海外にはない仕組み。感染者数や死者が少ないのは決して奇跡ではない」と指摘した。

 さらに、スペイン風邪やコレラなど過去の感染症への対策を引き合いに、欧米社会と日本社会の公衆衛生が異なるとし、「日本型の公衆衛生が根を張る機会になる」と話した。

 今後の社会の在り方について、高鳥毛教授は「たとえば、人と人とのコミュニケーションは、物理的な距離から、実存的な距離に変わるだろう。新型コロナが起きたことで社会の質的な変化がいくつも起こる」と指摘。「第2波は確実に来る。長期的なスパンで、また地球規模で社会の在り方を考え直すべきだ」と語った。

 一方、永松教授は「今回の事態を踏まえ、海外を含めて経済を成り立たせるやり方を考える必要がある」などと語った。

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