オムロン元社長・立石義雄 無駄にしたくない、掲げた“存在意義”

 【ドクター和のニッポン臨終図巻】

 医療現場では、相変わらずマスクや防護服が不足がちです。マスクに関しては、皆さんも相当にお困りでしょう。しかし、「先生、使ってください」と、送ってくださる善意の人が何人もおられて、感謝の言葉もありません。

 一方、メルカリなどのサイトでは、体温計やパルスオキシメーター(低酸素状態を簡単に発見できる医療機器)を買い占め高値で転売している人がいるそうです。この状況でお金儲けかと、怒りさえ覚えます。 

 大手電機メーカー、オムロンの元社長で名誉顧問をされていた立石義雄さんが、京都市内の病院で4月21日に亡くなられました。享年80。死因は、新型コロナウイルス感染との発表です。

 この連載で、新型コロナウイルスで亡くなった方を書くのは、これでもう3人目です。立石さんは、4月5日に医療機関を受診したところ肺炎だとわかりました。PCR検査の結果、翌日、新型コロナウイルスと判明したといいます。

 志村けんさんや岡江久美子さんも、入院してから2週間前後であっという間に旅立ってしまいました。症状が出てから病状の進行が早すぎる……これが、新型コロナ感染の恐ろしいところです。

 新型コロナの場合、軽度の肺炎を起こしていても、息苦しさ(呼吸困難感)をあまり感じない人が多いようです。

 人間の動脈血中には、本来、酸素濃度を感知する受容体があり、舌やのどの神経などと連絡を取り合っています。しかし、新型コロナは、この受容体をも攻撃するため、息苦しいと感じる機能を麻痺させてしまうようです。あくまでも仮説ですが、嗅覚や味覚が低下するという特有な症状も、それぞれの知覚神経が攻撃されているのでしょうか。

 そして、自覚症状が出たときにはかなり重症化しているので、日々悲劇が起きているのです。

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