水道料金の格差8倍 衛生面でも重要、その値段は適切か

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、水道料金が注目を集めている。在宅時間の増加によりかさむ水道料金の減免を一部自治体が打ち出しているからだ。しかし、全国の自治体(水道企業団)で比較するとその料金にはおよそ8倍の開きがある。どうしてこれほど違いがあるのか。生活用水としてだけでなく、衛生面でも大きな役割を果たしている水道を維持していくために、水道料金のあり方の議論はこれから活発化しそうだ。(藤原由梨)

千種川(ちくさがわ)のめぐみ

 「なぜ水道料金が安いのか、市民の方からよく問い合わせがありますが、特に市のほうでPRはしていないんです」

 公益社団法人「日本水道協会」(東京)の平成31年4月時点のまとめで、月に水道水20立方メートルを使用した場合の料金が全国で最も安い853円だった兵庫県赤穂市の担当者はこう話す。20立方メートルは2、3人世帯の家庭の一般的な使用水量を想定したもの。このまとめで最高額だった北海道夕張市の6841円の約8分の1だ。

 水道料金に差が出るのは、水道事業は水道法により市町村運営を原則にしているためだ。河川やダム、地下水などの水源の違いや水道管が敷かれた時期、建設費などが影響しているほか、人口密度や水質の変化、事業方針など自治体により条件が異なるため、料金にも大きな違いが生まれている。

 岡山との県境の街、赤穂市は名水百選にも選ばれた千種川が市中心部を流れる水脈に恵まれた特徴がある。担当者は「水源となる川の水質が良いため、浄化のための薬剤の投入が少なく、設備のメンテナンス・維持費も安く済む」と胸を張る。水源から市街地までの距離も最大4~5キロと近く、効率的な配水も可能だ。また、千種川の豊富な水量に助けられて、播磨灘を挟んだ離島などに海底水道管を通じて水を販売しているほか、市内には大企業の工場が複数あり、収益を還元できるため「家庭用の料金を抑えられる」という。

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