独居高齢者の命を守る「見守り活動」

【一生働く!】〈理解編〉社会とシニア(7)

 独居高齢者の増加は孤独死などの社会問題につながる。コロナ禍でさらに対策が望まれる今、全国的な「見守り活動」に期待がかかっている。

近所づきあいは希薄化

 2015年の国税調査によれば、単身世帯の増加は男女ともに顕著だ。65歳以上の人のうち男性の13%(約192万人)、女性の21%(約400万人)が1人で暮らしていることがわかっており、40年には男女合わせて896万人になると推計されている。

 多くの人はできる限り住み慣れた地域や自宅で暮らし続けることを望んでおり、「安心して住み続けるためにはどのようなことが必要か」を内閣府が調査したところ、「近所の人との支え合い」(55・9%)が最も多く、続いて「家族や親族の援助」(49・9%)、「かかりつけ医等健康面での受け皿」(42・6%)、「公的機関からの援助」(35・2%)、「移動手段や商業施設などの生活環境の利便」(30・1%)の順となっている。

 しかし、かつて昭和の時代にあった近所付き合いような「顔の見える」地域社会は希薄化傾向が見られ、高齢者が地域に出る機会も減っているようだ。

地域で支え合う仕組みづくり

 高齢者が安心して在宅生活を継続していく上での基盤となるのは、近隣住民が高齢者の異変にいち早く気付き、命を守る仕組み「見守り活動」だ。自治体が実施する見守り活動はさまざまだが=表、地域住民の協力が不可欠なのは共通している。

 岩手県奥州市では、郵便(新聞)配達、電気・ガスなどの民間業者が訪問先で異変を察知した場合、奥州市に連絡。連絡を受けた市は内容に応じて、関係機関と連携し必要な支援を行うという地域見守り支援ネットワーク「みまもりおーネット」を整備した。

 広島県福山市では、地域住民を「見守り支援員」として養成するためのインストラクターを、地域包括支援センター職員、介護保険事業所、福祉施設に就労経験のある人などから募集し地域に配置している。

 こうした、主に独居高齢者の見守り活動は全国的にも広がりを見せ、民間のサービス参入も進んできている。

 見守りの担い手にはシニアの存在も大きい。世代を超えて高齢者に目を向け、孤独死防止を目指している。(「オレンジ世代」取材班)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ