新型コロナ対策、京大・iPS細胞研究所はネットで研究発表 初の試みに手応え

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、京都大iPS細胞研究所(CiRA、サイラ)が、研究成果を発表する記者会見をインターネット中継に切り替えた。同様の観点から、すでに楽天などの企業で会見のネット配信が行われているほか、大阪市立大も記者会見を中止し動画配信を採用する方針だ。

 サイラでは、研究成果を報告し合う研究所内の週1回のミーティングを中止するなど、新型の感染対策に取り組んでいる。記者会見も、これまでは研究所内などで行っていたが、感染拡大のリスクがあるとして、今月11日、初めて参加者全員がネット中継を利用して出席する方法で実施した。

 この日は、斉藤博英教授らの研究グループが、遺伝子の働きを人為的に制御できる人工タンパク質の開発に成功したと発表。記者は登録を済ませた上で、決まった時間に専用のウェブサイトにアクセスして中継を視聴した。画面には、斉藤教授らの映像や資料などが表示され、質疑応答はパソコンにつないだマイクで発言したり、チャット機能を使って質問事項を書き込んだりして行われた。

 一部音声が途切れるなどのトラブルもあったが、約1時間の会見は滞りなく終了。サイラの担当者は「今後は感染対策に限らず、予定が調整しにくい共同研究者との会見時に用いるなど、いろいろな場面での利用も考えられる」と話した。

 大阪市立大も今後、記者会見を中止し、報道発表資料に追加説明が必要な場合は学内の公式ユーチューブチャンネルで会見動画を配信する方針だ。記者からの質問には電話で対応する。

 一方、大阪大や神戸大などはオンライン会見などは予定しておらず、神戸大担当者は「ネット中継での記者会見を行うには、機材や機器の導入に予算が必要。現状では難しいと考えている」と話している。

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