第2、第3のゴーンを生み出すのか? 日本人は「ヒラ」のままの未来図

「英語屋」が会社を潰す

 英語教育のリスニング強化の目的が「外国人上司の指示が理解できる日本人の養成」であるとするなら、そのような企業で何が起こるのか。格好の前例が存在する。保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車のカルロス・ゴーン被告(65)だ。

 日産でゴーン時代に登用された日本人は語学が達者で、それなりにフランス人幹部と議論のできる人たちだった。一方、語学ができないが仕事に自信がある社員はおそらく彼らについて「語学屋」と陰口をたたいていたことだろう。

 そして、もしゴーン被告が逮捕されていなかったら、大株主のフランス・ルノーと経営統合し、日産は独立性を完全に失っていた可能性がある。

 日産だけでなく、幹部の多数を外国人が占める企業では、英語が達者であることが出世の重要用件となる。まれに語学が下手でも、辞められると困るようなエンジニアやサイエンティストには専属通訳も付くようだが、隔靴掻痒の状態は免れない。

 外資では日本企業と質の異なる「政治」が行われる。米系では表で、欧州系では裏で静かに、といった違いはあるが、日本企業内の派閥抗争などがかわいく見えるほど、社内の政治闘争は過酷だ。日産でも同様の状況だと想像される。

 外国語ができ、社内政治に長けた人材を育成するのが入試や学校での英語リスニング重視の狙いだとすれば、そこで育った学生学童は日本企業よりも外資系、あるいは、国際機関で働くほうが幸せになれるだろう。

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