新型肺炎拡大によるマスク不足で転売も横行 消毒液の需要も増加

 新型コロナウイルスの感染拡大によるマスク不足が深刻化している。ドラッグストアなどで品切れが続くほか、フリーマーケットアプリなどで高額転売も横行。医療機関でも入荷の見通しは立っておらず、暖冬の影響で今年は花粉のシーズンが例年より早まる可能性があり、マスクの需要はさらに高まる見込みだ。

 「土日も稼働して、1・5倍まで生産を増やすのが精いっぱい。注文を断らざるを得ないのは心苦しい」

 マスクを製造する不織布メーカー「日本バイリーン」(東京都)は今月に入り、休日返上で増産に取り組むも追い付かない状態だ。設備投資も時間がかかる上、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の際には、大量の注文が、収束した途端、予約分までキャンセルされたこともあった。

 医療機関でのマスク不足はより深刻だ。岡山県保険医協会が63の歯科医院に行ったアンケートによると、マスクの在庫が1カ月分を切る医院は4割を占める。全国の医師らで構成する全国保険医団体連合会(保団連)は国に対し、マスクなどの安定供給を要望した。

 そうした中で、フリマアプリでは、定価を上回るマスクが多数出品された。定価405円の1袋7枚入りマスクが、2袋9万9999円で出品されるなど、100倍以上の値段が付けられた商品もあった。

 全国の消費生活センターにも高額転売の相談が相次いでおり、ネットオークションサイト「ヤフオク!」はガイドラインを改訂し、不当なマスクの出品などを禁止する措置を取った。

 世界保健機関(WHO)も「必ずしもマスク着用は感染予防にならない」と明言。厚生労働省も手洗いなどと並んでアルコール消毒を推奨しているが、アルコール消毒液の需要も大幅に高まっている。

 大手日用品メーカー「ライオン」(東京)の広報によると、業務用アルコール消毒液と低アルコールの市販品、ハンドジェルの1月の販売はともに前年比で1・5倍増えているという。

 転売問題に詳しい福井健策弁護士は、店頭での販売個数制限や転売目的での購入禁止の徹底、サイトが高額取引の封じ込めを積極的に行うことが大切だとし、「消費者も正しい知識ともに、本当にマスクを必要とする人に譲る精神が求められている」と指摘している。

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