新型肺炎、悪質デマ拡散「ドライヤー30秒当てれば消毒できる」など 「和歌山で感染者を確認」も誤報でTBSが謝罪

 中国で拡大が止まらない新型肺炎だが、根拠不明の「デマ」の拡散も止まらない。感染原因が不明ということに加え、情報統制を徹底的に行う中国の社会構造にも理由があると専門家は指摘する。デマは国外にも広がり、風評被害などの悪影響を及ぼしている。

 「アジア人は感染しやすい」「ドライヤーを30秒当てれば消毒できる」「イチゴを食べると予防になる」「たばこでウイルスを防げる」

 これらは中国国内のネットなどで出回っているデマの一部だ。このほかにもペットが新型コロナウイルスを拡散させるとして、窓から投げ捨てる事案も発生しているという。もちろん現段階でこれらの情報が実証されているはずもない。

 デマの拡散について、中国事情に詳しいジャーナリストの奥窪優木氏は、「すべての情報を完全に信用しているわけではないだろうが、当局の情報も信用できないため、自ら情報を得ようとしている結果だろう。デマは不安になると蔓延(まんえん)しやすいだけに、拍車がかかっている状況だ」と指摘した。

 ネット上では過去の動画や、異なった場所を撮影した動画も投稿されている。先月は「上海虹橋国際空港で武漢の肺炎発症者が隔離されて運ばれている」としたニセ動画が拡散した。

 中国当局は当初、ネットの書き込みを検閲し、削除するなどの情報統制を強化しているとみられていた。ただ、前出の奥窪氏は「情報統制の手が回らなくなっているという理由に加え、ここまで感染が拡大してしまったため、当局には不満をこれ以上増幅させたくないという思いがあるのではないか」と“ガス抜き”の意図もあるとの見方を示した。

 海外でもデマは広がっており、マレーシアでは「感染するとゾンビのようになる」という噂が広まった。AFP通信によると、デマを拡散したとして6人が逮捕され、同国保健当局はデマを否定した。

 日本ではTBSが情報番組で誤って「和歌山で感染者を確認」と伝え、SNS上で拡散された。同局は番組HP内で謝罪した。東京五輪・パラリンピック中止のデマも拡散したが、小池百合子都知事は否定している。

 不安な気持ちになるのも分かるが、慎重な姿勢で情報を入手することが必要だ。

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