運転免許証の返上をするかどうか…認知症と徘徊ドライブ、叔父の「恐怖体験」を話す

【MCIリバーター 軽度認知障害回復奮闘記】

 運転免許証の返上をするかどうか-。デイケアに通うMCI(軽度認知障害)の人や家族の間では最近その話題で持ちきりである。ペーパードライバーの僕だが、いざとなると未練が残る。難しい問題だ。相談されたときに僕は叔父の話をする。

 4年ほど前、僕が認知症早期治療を始めて1年たった頃のことだ。九州に住んでいた叔父が危なく事故につながる徘徊(はいかい)運転をしたと聞いた。若い時に土木会社を興し規模を広げたが、バブル崩壊後の不景気で受注が減る中、会社の規模を縮小し次男に会社を任せ引退した。

 畑仕事や実弟との食事を何よりの楽しみとする穏やかな老後。だが、75歳を過ぎてから変調がきた。しばしば人の名前を忘れたり、自宅前の坂道で転ぶ。次男は医師の診察を受けることを再三勧めた。愛車を駆っての外出を危険だからと制止したが、「やかましか」と言下にはねつける。キーを隠されても叔父は探し出して運転を続けていた。

 2013年春。その叔父が自宅を車で出た後、所在不明に。夕方になっても何の連絡もない。携帯電話は持っていない。次男は親戚や知人など心当たりの立ち回り先に電話をかけまくった。交通事故を起こしたのではないかと警察に駆け込んだが情報はない。

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