ノーベル賞’19 日本のお菓子の魅力発信 日本人パティシエ・ヴェントゥラ愛さん

 【ストックホルム=桑村大】10日(日本時間11日未明)にノーベル賞授賞式を控えるスウェーデンには約4千人の日本人が暮らす。そのなかで最も話題となっているのが、パティシエのヴェントゥラ愛さん(35)だ。ストックホルムを拠点に、抹茶ケーキやイチゴ大福といった日本でおなじみの和洋菓子を広めている。最近はレシピ本を出版し、現地の雑誌にも度々登場。授賞式やクリスマスを前に注目が集まる街で「日本のお菓子の魅力を伝えたい」と話している。

 ストックホルム中心部で不定期に開かれるカフェ「bon aibon(ボン・アイボン)」。サツマイモのタルトやどら焼き、あんパンなどが並び、多くのスウェーデン人が好みのスイーツを品定めする。

 本格的な日本の味が楽しめると好評で、「こちらのお菓子にはない、繊細な味わいと食感の軽やかさが人気の理由だと思うんです」と分析する。

 東京都昭島(あきしま)市出身。母の影響で、菓子作りに親しみ、高校卒業後、製菓の専門学校で学んだ。自宅の一部を洋菓子店に改築し、パティシエとして活動をスタート。米国人の夫との結婚を機に「海外で冒険しよう」と、2013年に縁もゆかりもないストックホルムに移り住んだ。

 日本人経営のカフェで菓子作りを手伝うなか、一昨年の春、知人から日本の菓子の販売を提案されたことが転機に。地元すし店の片隅で期間限定で販売を始めると、昨年10月には開店と同時に200人を超える列ができ、500個のスイーツは4時間で完売。「ここまで受け入れられるとは思わなかった」と振り返る。

 人気は、抹茶のロールケーキとスフレチーズケーキ。イチゴ大福も斬新だと注目を集めている。“本場の味”にこだわり、材料にも工夫を凝らす。現地では小麦粉の中で強力粉や中力粉が主流だが、日本のスイーツ独特の「フワフワ感」が出ず、片栗粉などを混ぜながら焼き上がりを調整することもある。

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