何年も先まで予約が埋まる一大イベント「将棋の日」 前日には竜王戦・第4局が開催

【勝負師たちの系譜】

 ■全タイトル保持者が集結!写真撮影の一番人気は木村一基王位

 11月17日は「将棋の日」と制定され、毎年この日の前後の土日には、将棋界最大のイベントが開催される。

 将棋の日の由来は、江戸時代に家元がこの日、江戸城の将軍の前で将棋を指し、拝謁頂いたところから、将棋連盟がこの日に定めたものだ。

 今年の将棋の日イベントは、甲府市で開催された。今年は武田信玄公の父、武田信虎が、躑躅(つつじ)ヶ崎に館を構えて開府してから500年、市政130周年と合わせ、誘致したものだ。

 しかもイベントの前日には、甲府の湯村温泉『常磐ホテル』で竜王戦第4局が開催されるとあって、この間の5日間は、甲府の将棋ウィークとなった。

 先立つ竜王戦は、3連敗の広瀬章人竜王が現代の流行かAIの影響か、6七金左型の矢倉を採用し、早い段階で端への角切りの強襲をかけて、1勝をもぎ取った。

 過去には、同じ竜王戦で、3連敗から4連勝の例もあり、広瀬の目は全く諦めていないように見えた。

 翌23日からは、総合市民会館にて、将棋の日のイベント。竜王戦を戦った広瀬と、挑戦者の豊島将之名人も参加し、全タイトル保持者がそろう豪華メンバーとなった。

 午後からは本番のNHK公開録画で、第1部は風林火山の『ときこと風の如く』らしく、若手棋士による10秒将棋対決。初戦は中村太地七段対藤井聡太七段で、これを藤井が勝ち、待機の戸辺誠七段とで決勝戦。

 うまく指したつもりが、敗れた戸辺は、よほど悔しかったか、終了後の控室でも検討していた。感想は一言「強いなあ」だった。

 続く第2部は、恒例の「次の一手名人戦」。渡辺明三冠と永瀬拓矢二冠による対局中、所々で出す次の一手を約千名の観客が当て、優勝を争うもので、プロの解答陣は5問目あたりで、全員討ち死にした。

 舞台に上がったのは子供も含む10名ほどだったが、最後は埼玉から来た主婦が勝ち残って優勝となった。

 将棋は粘り強く受けに回った、永瀬の勝ち。

 翌日は、ファンとの写真撮影会があり、初タイトルの木村一基王位が一番人気だった。

 将棋の日はNHKの放映もあって、自治体には人気で、何年も先まで予約が埋まっている。来年は福島県喜多方市で、時間がある方は是非、お出かけ頂きたい。

 ■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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