本堂で瞑想、生マグロ料理も…外国人に人気「寺泊」

 本来寺社の参拝者などが利用する「宿坊」が近年、急増する外国人観光客に日本独特のスタイルで泊まれる「寺泊(テラハク)」として人気を集めている。関西の代表格・高野山(和歌山県高野町)以外にも各地で新スタイルの宿坊が増え、インターネット上には紹介するサイトも開設されている。国は令和元年版の観光白書に「寺泊」の推進を明記、普及を後押ししている。(山田淳史)

■戦国武将ゆかりの寺で

 戦国武将、真田信繁(幸村)が蟄居(ちっきょ)した真田家の菩提(ぼだい)寺、高野山の宿坊「蓮華定院(れんげじょういん)」。今月7日の夕方、薄暗い本堂にフランスやイタリアなど海外から訪れた宿泊客が姿をみせた。僧侶が通訳を介して厳かに勤行し、日本の瞑想(めいそう)法を指導。外国人たちは約1時間かけて、慣れないあぐらのような座り方に挑戦し、静かに呼吸を整えた。

 終了後は大広間に移動。外国人に大人気という天ぷらや名物の「ごまとうふ」などの精進料理を箸で味わった。

 この日の宿泊客は75人全員が外国人。イタリア人の会社員、ジャコモ・スカンドログリオさん(31)は「美しい庭の画像をサイトで見て決めました。瞑想は姿勢や呼吸法が難しいが、いい体験になりました。料理もおいしかった」と満足顔だ。

■全国の宿坊を掲載「テラハク」

 「外国人が多い理由は、襖(ふすま)のある部屋で精進料理を味わったり、布団で寝たりする日本スタイルに興味を抱いていることもあるのでは」と蓮華定院の添田隆昭住職は話す。

 高野山を訪れる外国人観光客は急増している。町などによると、高野山の宿泊客数は開創1200年の平成27年、約44万人と前年比約1・6倍に急増。30年は前年より約1万6000人多い約22万6000人と好調に推移している。外国人観光客も多く、30年の宿泊客数は前年比11・3%増の約9万4000人を記録した。

 高野山観光情報センターの職員は「高野山の宿泊先といえば宿坊。平成16年の世界遺産登録の影響が大きいのでは」とみる。

 一方、ネット上では昨年7月、全国各地の寺泊を紹介する「テラハク」が開設された。寺社振興を目指して観光企画の立案、運営などを手掛ける株式会社「和空」(大阪市北区)が運営。都道府県別や「座禅」「写経」など修行・文化体験別に検索できる。紹介数は近日公開予定を含め50を超え、今後も増える見込みだ。

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