軽症の小児頭部打撲にCT必要? 放射線被曝にも注意

【脳を知る】

 「朝、子供が遊んでいてこけて、床でおでこを打ちました。あとから頭の中に何か起こることがあると聞いたので心配です。先生、CT(コンピューター断層撮影)を撮ってください」。若い両親が5歳の小児を夜間救急外来に連れてきました。

 子供は、ニコニコして座っており、診察道具で遊んでいます。おでこに赤い打撲痕があるのみで、脳神経症状には何も異常はありません。親から見てもいつもと変わりないとのことです。

 診察の後「これなら心配ないですよ。それと、あとからというのは普通3~6時間後のことで、すでに打撲からだいぶ時間もたっているようですし…」とCTは必要ないと説明しました。しかし両親は不安そうな表情を浮かべています。診察室ではよくある状況です。この場合、CTは必要でしょうか?

 北米の論文によると、頭部打撲から24時間以内に救急受診した18歳未満の患者4万2412人(平均年齢7・1歳)を調べると、(1)興奮や傾眠、同じ質問の繰り返しなどの意識障害(2)頭蓋骨骨折の蝕知(3)前頭部以外の皮下血腫(こぶ)(4)5秒以上の意識消失(5)親から見て「いつもと違う」-などの項目に当てはまらない場合、重篤な脳損傷があるリスクは0・02%であると示されています。

 つまり、上の例ではCTが必要な脳損傷がある可能性はわずか5千分の1であるということになります。

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