漫画で防犯呼びかけ 神奈川県警、ツイッターフォロワー数倍増ねらう 「若者が読んで祖父母世代に伝えて」

 防犯情報を効果的に発信しようと、神奈川県警では現在、生活安全総務課犯罪抑止対策室の公式ツイッターで防犯をテーマとして企画された「防犯漫画」を連載している。同室によると、「未成年を含む若年層に、もっと防犯情報を知ってもらうため、発案された」といい、6月に掲載が開始されると、一部ファンの間で人気を博し、現在は第2弾に突入。作者と県警に、作品に対する思いと今後の展望を聞いた。

 「はい、もしもし」。高齢女性が自宅にかかってきた電話をとると、相手は「銀行協会の者ですが」と唐突に切り出した。画が切り替わると、ニヤリと笑いながら巧みに嘘を並べてターゲットを追い詰める男の姿が。最終的に女性は男にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを、用意された封筒に入れるよう言われ、100万円を引き出されてしまうのだった-。

 ■4コマにこだわり

 これは同室のツイッターに掲載された「キャッシュカードすり替え型窃盗」を描いた部分の漫画の一部始終だ。詐欺師の表と裏の顔が表情豊かに描かれ、読者に向けて実際の特殊詐欺グループの手口を「目で見て分かりやすく」伝えている。

 県警はタレントでイラストレーターとしても活動する月野ももさん(22)に4コマ漫画の執筆を依頼し、6月から連載を開始。10月からは企画の第2弾として、同じくタレントでイラストレーターの小島みゆさん(26)の作品も掲載している。同室は「最近頻発した事案など、そのときのタイムリーなテーマで描いてもらうようお願いしている」とし、取り上げられる内容は特殊詐欺のほか、窃盗や性犯罪など多岐にわたる。

 作者の2人は「防犯漫画」についてどのように考えているのか。月野さんは「4コマ」にこだわった漫画を描いており、ゲームと猫を愛するどこにでもいるOLが主人公の“ゆるい”ストーリーを展開している。

 「4コマ漫画は1話完結型なので、誰でもすぐに読める。『若者に興味を持ってもらえる作品を』というオーダーをいただいていたので、描いた漫画は全て5歳年下の妹に見せ、読者目線に立った意見をもらっている。防犯を身近に感じてもらって、読者に犯罪に遭わないようにしてほしい」と月野さん。

 ■戦隊ヒーローが

 対して、小島さんは「少年漫画を意識している」という激しいテイストの画が特徴的だ。まちで起こった悪事を戦隊ヒーローが成敗するという内容で、複数話にわたって物語が展開される。小島さんは「報道で詐欺の被害を知ると、とても悲しくなる。若い人に読んでもらって、祖父母の世代に伝えてほしい」と訴える。

 現在、同室のツイッターでは、県警の取り組みや凶悪事件の発生情報を発信するなどし、県民に犯罪に対する注意喚起を促している。例えば、6月に愛川町で横浜地検が収容しようとした小林誠被告(43)=公務執行妨害罪などで公判中=が逃走した事件の際には、指名手配情報を配信していた。

 ただ、同室のツイッターのフォロワー数は現在のところ、1万人強(26日現在)。同様に犯罪情報を発信している警視庁の犯罪抑止対策本部の公式アカウントの約20万人、埼玉県警生活安全総務課のアカウントの7万人超に比べると、見劣りする感は否めない。

 漫画企画を仕掛けた同室の吉川裕介副室長は「見てくれている人が少なければ、いくら犯罪情報を発信しても伝わりづらい」として、「何とかフォロワーを増やし、より多くの人に防犯を呼びかけたい」と力を込める。当面の目標は、現在の倍の2万人超え。その起爆剤として、漫画作品にかける期待も大きい。

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