小池都知事、来年知事選後にIR誘致方針表明か 「稼ぐ東京」計画も

 横浜市がIRを誘致する意向を表明するなど、全国各地でIR誘致合戦が過熱する一方で、東京都の小池百合子知事はこれまで「メリット、デメリットの両面があり、総合的に検討する」とIR誘致に慎重な姿勢を示す。

 ある都関係者は、小池知事の慎重姿勢の背景に、都選挙管理委員会が13日、来年7月5日投開票とする日程を正式決定した都知事選が、一因にあると話す。

 IR誘致は、カジノによる大幅な利益が見込める一方で、利用者のギャンブル依存症や反社会勢力の介入など、抵抗を感じる声も目立ち、賛否両論の意見が交わされている。

 そうした現状を踏まえ、都関係者は「都知事選の再出馬が確実視されている小池知事にとって、都民を二分するIR誘致に関する態度を明確化すれば、自身の得票数に影響が出る」と指摘。そのうえで「方針を明確にするのは、来年の都知事選後だろう」との見方を示した。

 IRの誘致競争をめぐっては横浜市、大阪府・市、和歌山県、長崎県の4地域が誘致を表明、ほかにも検討中の地域がある。立地区域は最大3カ所で、国は2020(令和2)~21年ごろに選定、20年代半ばに開業する見込み。

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 一方、都の官民連携チーム(コーディネーター、村木美貴・千葉大教授)は東京五輪・パラリンピック後を見据え、都心臨海部(ベイエリア)の将来像として、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を整備し、「稼ぐ東京」の実現を目指すなど11の提案書を、都に提出した。都は来年以降に策定する「東京ベイエリアビジョン」(仮称)に反映させるという。

 提案書では、臨海部の目指す姿として、「日本中の文化、情報、技術のショーケース」と位置付けた。IRは青海エリア(江東区)を想定し、「娯楽イメージの強い従来型施設とは異なる特徴づけや魅力づけを行う」と提案する。劇場やホール、野外コンサートなど、都心では整備が難しい文化交流施設や集客施設を充実させるという。

 他の提案では、外国人観光客を増やし、臨海部への交通アクセスを改善することが上がっている。具体的には、羽田空港の滑走路を増設し、銀座地区と臨海部を結ぶ地下鉄の新設を求めている。臨海部と品川エリアをロープウエーで結ぶなど、「楽しさと輸送を両立する移動手段の実現」も求めている。

 さらに超高齢社会の中、ロボットを使って、高齢者の介護や生活支援も行い、「世界に先駆けた未来社会」を目指すという。

 官民連携チームは、臨海部のビジョン策定のため平成30年10月に設置された。建築家や大手不動産業者、アーティストのほか、都庁の若手職員ら25人で構成されている。

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