男性もムリなくできる親の介護 住宅改修は「親の状態を見極めて」

【住まいの処方銭】

 高齢の親に対する心配は、「室内で転倒してしまったらどうしよう」というようなことではないだろうか。

 リフォームが頭によぎるが、親の状態をよく見極めて決めることも大切だ。認知症の母親を遠距離介護しながら、介護ブログ『40歳からの遠距離介護』を運営する工藤広伸さんが話す。

 「介護保険の要介護や要支援認定を受けていると、手すりの取り付けやスロープの設置などの住宅改修をしたときに、20万円を上限に自己負担が1割から3割で済む制度があります。頭に入れておきたいものです」

 工藤さん自身は「ずいぶん考えたものの、母が車椅子を使うなどの状態になったときに改修する」ことに決めたそう。これは、母ができるだけ自立して暮らせる環境を維持するためだ。母は認知症だが、片付けはとても得意で、家の中は常に整理整頓されている。

 一方で、環境の変化には戸惑いやすいという。もし手すりや段差などをつけたり、レンタルしたりすると、見た目や廊下の幅などが変わってしまう。母が邪魔だと思えば片付けてしまう可能性もある。

 工藤さんがこう判断したのは、良い理学療法士に出会ったことも大きい。「理学療法士に『(母親に)自立してほしい』という思いを伝え、話し合って今は段差を残すことになりました。私はバリアがあるので『逆バリアフリー』と呼んでいます」

 週1回の訪問リハビリでは、こたつに手をついて立ち上がったり、階段を上り下りしたりして、室内での日常動作を学ぶ。これで筋力がアップした。もちろん、母のひざに傷があるなど、異変があるとすぐに工藤さんに連絡が来る連携体制もある。「本人の状態次第ですが、やれることを残しておくのも大事です。誰しも世話になりたくない、自分でやりたいという思いはあるはず。見守るのも大切です」と話す。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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