空き店舗対策の集会所がグッドデザイン賞受賞 宇都宮市のたばこ店跡

 かつてはたばこ店だった空き店舗から地域の集会所に生まれ変わった宇都宮市東峰町の「とみくらみんなのリビング」が、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞(公共の建築・空間部門)を受賞した。地域の自治会や学生、地元企業などが協力して、長年空き店舗となっていた建物を地域の憩いの場に再生した。空き家対策で同賞を受賞するのは栃木県内で初という。

 かつてはたばこ店などとして使われていたが、10年近く前に空き店舗となり、その後は、地元の会合などに利用されていた。しかし、建築から約半世紀経過していることもあり、耐震性の問題や雨漏りなど老朽化が進んでいたことから、地域のコミュニティーの拠点として活用するため改修することに。空き家対策に取り組む「宇都宮空き家会議」とともに、平成29年、プロジェクトがスタートした。

 「単なる自治会の集会所を超えた多様な利用ができる場所に」。宇都宮大の学生たちが企画とデザインを考え、市内の業者とチームを組んで改修した。元の建物の魅力を生かし、内部は壁や天井を撤去して広々とした空間に。外観は杉材を組み合わせた庇(ひさし)を製作し、誰もが立ち寄れるようベンチも整備した。

 工事期間は、弁当の差し入れなど地域住民の協力も得ながら、2年かけて今年3月末に完成。「とみくら」はたばこ店時代の屋号から取った。

 現在は編み物クラブや老人クラブの集会などで利用されている。所有者の関沢美智子さん(75)は「学生たちの頑張りが受賞で報われた」と話し、地元の東峰西自治会長、室井光さん(83)は「長年の願いだった集会所が整備され、学生たちとの交流も生まれた。そのうえ素晴らしい賞をいただきうれしい」と喜んでいる。

 同会議会長で宇都宮大地域デザイン科学部の安森亮雄(あきお)准教授(47)は「建築が持っていた地域との関わりという意義を評価された。受賞によって取り組みが全国的に発信していければ」と話している。

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