「首里城が燃えてる…」沖縄のシンボル消失に県民絶句

 那覇市で31日未明に起きた首里城の火災。沖縄のシンボルともいえる首里城の正殿と北殿、南殿の全焼という事態に、県民に衝撃と悲しみが広がった。

 「首里城燃えてるよ」。31日午前3時ごろに新聞の朝刊を取るため、外に出た那覇市首里汀良(しゅりてら)町の仲村勇さん(83)は、勢いよく真っ赤に燃え上がる火柱を目にし、寝ていた妻に叫んだ。

 「一瞬何が起きているのか分からなかったけど、首里城の方角だったからがくぜんとした。辺り一面が真っ赤で煙とにおいがすごかった」と仲村さんは振り返る。

 駆けつけた妻は火災を見て、ショックのあまり涙を流していたといい、仲村さんも涙がこぼれたという。10月27日から琉球王国の儀式を再現するイベント「首里城祭」が開かれており、小学3年の孫が見に来る予定だった。

 「孫を連れてくると、いつも喜んでいたから本当に残念。胸が締め付けられる思い」と悲痛な表情を浮かべた。

 消火活動などで首里城公園内への立ち入りが制限されたため、首里城には近づくことができなくなった。首里城の一部を見ることができる池「龍譚(りゅうたん)」がある龍譚通りには、報道を見て訪れた多くの県民が集まり、消火活動を見守った。

 朝にニュースで首里城の火災を知ったという元県庁職員の久場勝治さん(74)は衝撃のあまり「絶句した」といい、すぐに首里城の近くまで駆けつけたという。平成元年に首里城の復元が始まった際には、久場さんも北殿の瓦1枚分の1万円寄付したという。

 「当時は、県全体が財政的に苦しい中でも、国にすべてを頼るんじゃなくて県民も協力して首里城を作りたいという思いがあった。言葉が出ないというのは本当にあるんですね。私の瓦も燃えてしまったでしょう」と落胆した表情で話した。

 県庁職員として30年ほど前にあった落成式にも出席したという久場さんは、復元の課程をつぶさに見てきた。再び復元することを目指し、「みんなで少しずつ復元していくプロセスが再び県民を一つにすると思う。若い人たちに引き継げるようにわれわれが頑張って復元させたい」と力強く話した。

 首里城の守礼門付近に住む男性(88)は大きな消防のサイレンの音で起きた。真っ赤な炎を上げて燃えさかる首里城をただぼんやりと見るしかなかった。

 「新しく復元されたばっかりだったのにあっという間に消えてしまった。とても寂しい。琉球王朝時代から続く沖縄のシンボルだったのに。とても悲しい」と悔しさをにじませた。

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