即位礼正殿の儀 梧陵さんが引き寄せた縁 皇太子時代「稲むらの火の館」ご訪問 

 22日に行われた天皇陛下の「即位礼正殿の儀」。陛下は、皇太子時代の平成27年、和歌山市で開かれた全国高校総体の総合開会式に出席した際、津波防災の教訓を後世に伝える和歌山県広川町の「稲むらの火の館」も訪問されていた。案内した崎山光一館長は「謙虚なお人柄がにじみでていた」と振り返り、「令和の時代の安寧を見守っていただきたい」と期待を寄せた。

 同館は、江戸時代の安政南海地震(1854年)の際に、町出身の実業家、浜口梧陵(ごりょう)(1820~85年)が津波到来を察知して稲わらを燃やし、村人を高台に避難させた「稲むらの火」の逸話を教訓として伝える防災学習施設。

 陛下は皇太子時代の平成27年7月に訪問された。施設内容の説明を受けられた際の印象について、崎山館長は「柔和な表情で静かに耳を傾けられ、館の職員が緊張しないように気遣われていたようでした」と振り返る。

 入館数が、東日本大震災後の平成23年度に過去最多を記録したが、その後は減少傾向にあることを伝えると、「『津波への関心が薄れることは心配ですね』と危惧されていました」と崎山館長。「館を運営する職務の重責を実感しました」と気を引き締める。

 館内には、稲むらの火の逸話を掲載した戦前の教科書なども展示している。現在の上皇后さまが子供の頃に教科書で逸話を知り、感動された記録もあると伝えると、深くうなずかれたという。

 当初の予定時刻より少し早く館を出られたといい、その理由について崎山館長は「外で待っていた町民と話されるためであると分かりました。こまやかなお心遣いに感銘しました」と回想した。

 館の玄関前には、ご訪問を記念した碑が建立されている。「梧陵さんが引き寄せてくれた縁でしょう」と崎山館長。「また、おそろいでいらしていただける機会があれば」と笑顔をみせた。

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