消費税10% お得なの、損なの? 飲食店現場、客から漏れる本音「気にしない」

 消費税率が1日、8%から10%に引き上げられた。飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率制度が初めて導入され、店内飲食と持ち帰りで税率が異なるなど、何かと「分かりづらい」との声も漏れる今回の増税。実際に現場の飲食店をのぞき、利用客らの“本音”を探った。

 定食チェーン「大戸屋ごはん処」三鷹南口店(東京都三鷹市)。増税後初となる1日午前11時の開店を同時に、いつものように客が次々と来店した。

 鶏の竜田揚げを注文した川崎優さん(66)は「税率引き上げそのものは特に気にならない。影響も感じないが、それぞれの企業が努力しているのは、すばらしいこと」と話した。

 大戸屋は、メニューの半数で値上げを行う一方、材料の仕入れ先の協力や店内での調理工程を工夫してコストを抑制。焼き魚の定食など人気商品を中心に、10品程度で価格を据え置き5品で値下げした。

 30代の男性会社員は「少しでも安くする店の姿勢はありがたい。所得が増えるわけではないから、ちょっとした値上げも気になります」と苦笑する。

 一方、税率引き上げ後もファミリーレストランや定食チェーンでは、宅配や持ち帰りで8%の軽減税率が適用される。大戸屋で持ち帰りや宅配の利用者は1割前後だが、都心部を中心に利用が拡大し、10月1日からは持ち帰りメニューを26品から33品に増やした。

 ただ、店内飲食する客からは「2%分」にお得感を見いだす声は、意外と少ない。

 月に1、2回ほど同店を利用する看護師の女性(59)は「食べる場所を大事にしている。外食であえて持ち帰りを考えたことはないし、これからも持ち帰りはしない」と話した。

 昼休みにパート仲間と6人で訪れた女性(46)は「せっかくの昼食。天気が良いときは外に出て食べることが多い」。6人は「2%分安くても、持ち帰りはしないと思う」との“見解”で一致。「税率引き上げは実感がなくピンと来ない」「引きあげ前の駆け込み購入もあえてしなかった」との感想もあがった。

 国はキャッシュレス決済でポイントを還元するが、大戸屋ではキャッシュレス決済が全店舗で導入されておらず、チェーン独自のポイントカードなどに計9・6%分を還元するなど、対応策も講じている。

 同社コーポレートブランド室の岩熊英一次長は「税率引き上げの影響は未知。サービスや空間の質を含めて、店内で食べる価値を高めたい。同時に、お客さまの意識の変化は早く、宅配や持ち帰りなどにも注目が集まっている。一点にとらわれず、全体のサービスをより向上できれば」と力を込めた。

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