全高長、英語民間試験の導入延期求める 来年度の大学入試

 来年度から始まる大学入学共通テストに導入される民間の英語資格試験をめぐり、全国高等学校長協会(全高長)は10日、導入の延期を求める要望書を文部科学省に提出した。試験の日程や会場などで未確定な部分が多いほか、受験生の居住地や家庭の経済状況によって受験機会に格差が生じると指摘されているにもかかわらず、十分な対応がなされていないと判断した。

 この日、全高長の萩原聡会長らが文科省を訪れ、同省の担当者に要望書を手渡し、民間試験の導入延期と制度の見直しを訴えた。萩原会長によると、担当者は「このまま(導入に向けて)進めていきたい」と応じたという。

 民間試験は受験年度の4~12月に2回まで受けることができ、その成績を大学側が合否判定などに活用する仕組みだ。

 ただ、民間試験をめぐっては、地域によって試験会場数にばらつきが出るほか、受験料も1回で5800~約2万5千円に上り、地域や経済力の格差で受験機会に差が出る恐れがあるなど問題点が指摘されている。そのため、全高長は7月にも文科省に対し、課題への対応を求めていた。

 これを受け、文科省は8月に試験情報を取りまとめたポータルサイトを開設した。だが、萩原会長は「高校側が一番知りたい各試験の実施日や場所についての情報はいまだ全容が明確になっていない」と指摘。さらに全国の大学の約3割が全学部で民間試験を活用するかどうかについて「未定」としていることが明らかになり、「不安を助長する結果となった」とした。

 全高長が7月に各都道府県で10校ずつの計470校を対象に行った抽出調査によると、課題が解決されるまでは民間試験の実施を延期すべきだと回答した高校が69・1%に上った。具体的な課題については複数回答可で「経済格差」が74・5%▽「公平・公正性の確保」が74・3%▽「地域格差」が70・0%となった。

 萩原会長は「諸課題を解決しないまま(新制度を)始めるのは極めて重大な問題だ」と厳しく指摘した。

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