加熱式たばこ 各社が新製品を相次ぎ投入、課題は差別化?

 英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の日本法人は3日、加熱式たばこ「glo(グロー)」シリーズの新製品2機種を発表した。新機能搭載モデルと、サイズと価格を抑えた普及モデルが加わり消費者の選択の幅が広がったが、たばこ増税を前に各社の製品はコモディティ化の傾向を見せている。

 BATは10月3日、新製品の「glo pro」(税込み4980円)と「glo nano」(同3980円)を直営店と公式オンラインストアで発売する。どちらも従来モデルの「glo series 2」と同じように、細いスティック型の専用たばこを機器に差し込んで熱し、蒸気を吸引するタイプの加熱式たばこだ。同日からコンビニエンスストアなどでも取り扱いが始まる。glo proは東京や大阪などの10都道府県で先行発売してから、12月に全国展開する。

 glo proは20秒加熱して4分間吸う通常モードと、10秒加熱して3分間吸うブーストモードの2通りの使い方があるのが特徴。glo nanoは、横幅が従来モデルより1センチ以上小さい3.2センチのスリムなデザインで、赤や水色などのカラーバリエーションがある。女性や若い層に人気が出そうだ。

 pro、nano、series 2…。これらのシリーズ名は、IT大手Appleのタブレット端末「iPad Pro」、音楽プレーヤー「iPod nano」、腕時計型ウェアラブル端末「Apple Watch Series 2」などのヒット商品を連想させるネーミングだ。さらに発売済みの「glo series 2 mini」の名前を聞けば、やはり「iPad mini」が浮かぶ。

 しかし、gloシリーズの立ち位置はAppleのように優位ではない。2018年の加熱式たばこの国内シェアは、2014年からiQOS(アイコス)を販売するフィリップモリスが約7割、BATが約2割、Ploom TECH(プルーム・テック)のJTが約1割と推計される。ブームをけん引したフィリップモリスの先行者優位が続いている格好だ。

 iQOSとgloが専用の細いたばこを200~300度で加熱する方式であるのに対し、Ploom TECHはリキッド(液体)を30~40度で熱して蒸気を発生させ、たばこの葉で味や香りをつけて吸引するのを特徴としていた。国内ではニコチン入りリキッドの販売が規制されているため、海外で流行の電子たばこと似て非なる方式を採用したわけだ。

 こうしたなか、JTは今年1月、gloとほぼ同じ仕組みのPloom S(プルーム・エス)を発売し、8月から販売エリアを全国に拡大した。逆にBATは、Ploom TECHのようにリキッドを加熱するglo sens(グロー・センス)の限定販売を8月から始めており、各社はライバルとの差別化が課題になると見られる。

 健康志向高まりで紙巻たばこ市場の縮小する一方、加熱式たばこは今年も約3%の成長が予想されている。だが、BATが「ネオ」(20本入り)を490円から500円に値上げするように、各社は10月1日から多くの製品の価格を改定する。さらに、消費増税が家計に与える影響もあり順風満帆とは言い難い。加熱式たばこの顧客争奪戦は逆風の中で激化していくようだ。

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