「発酵」を新たな基幹産業へ 滋賀県、研究会設置 ビジネス展開探る

 滋賀県は6日、発酵産業を地域経済を牽引(けんいん)する新たな基幹産業に育成しようと「滋賀『発酵産業』成長促進化研究会」を立ち上げた。滋賀にはふなずしに代表される発酵食文化があり、全国トップクラスの「長寿県」になった県民の健康寿命の延伸にもつながっているとされる。県は関連産業の実態や育成策を事業者らと協議し、成長に向けたビジネス展開の可能性を探る。

 研究会には、発酵を研究テーマとする龍谷大農学部の島純教授や発酵食品事業者、料理研究家、商工会関係者ら計7人が参加した。

 造り酒屋だった宇野宗佑元首相の生家を改装した守山市の「守山市歴史文化まちづくり館」(愛称=守山宿・町家 うの家)で6日に開かれた初会合では、県内ではふなずしや日本酒、醤(しょう)油(ゆ)などの伝統的な発酵食が作られており、農学・バイオ系の大学や研究機関が立地している状況を確認。近年はチーズや甘酒、塩糀(こうじ)などの発酵食の需要が増加していることも紹介された。

 また、県内では日本酒やみそ、醤油、漬物などの伝統的な発酵食の多くは地元の中小事業者が生産している現状も報告された。

 研究会のメンバーとして会合に参加した県産米・大豆を使った糀やみそを製造販売するハッピー太郎醸造所(彦根市)の池島幸太郎代表は「小規模事業者同士のつながりができれば、地域全体で発酵産業の活性化ができる」と期待。チーズなどを使ったスイーツを手がける古株牧場(竜王町)の古株つや子社長も「小規模事業者の方が個性的な商品を生み出せる。強みになるはずだ」と強調した。

 発酵に関する研究会やショップを手がける高島市商工会の青木隆事務局長は「地元で当たり前の発酵食だが、県外の人にとっては魅力がある」と説明した。

 発酵産業は食品だけでなく、化学や医薬品、農業など幅広い分野で活用されていることを踏まえ、創薬・医薬品、化粧品、バイオプラスチック、バイオエタノール、環境浄化なども視野に入れたビジネス展開を検討することを確認した。

 県は来年2月まで研究会を開催し、現状や課題などについて議論。今年度中に改定する「滋賀県産業振興ビジョン」に発酵産業の振興策も盛り込む方針だ。

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