京アニ犠牲者に鎮魂の祈り 京都の寺社が護摩祈願や精霊供養 

 35人もの犠牲者を出したアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ、本社・京都府宇治市)の放火殺人事件を受け、京都市内の寺社が犠牲者の冥福や負傷者の回復祈願を続けている。お盆の時期を迎え、京都のまちには深い哀悼と鎮魂の祈りが響いている。

 事件現場となった京アニ第1スタジオから約3・5キロと近い真言宗醍醐派の総本山、醍醐寺(京都市伏見区)の塔頭(たっちゅう)、報恩院(ほうおんいん)。冷房のない堂内では僧侶が護摩(ごま)をたきながら、1時間にわたり一心不乱に読経を続けていた。

 毎日午後1時から行われている護摩祈願では、今月3日から「令和元年七月十八日放火事件負傷者身体安穏」と書かれた護摩札が加わった。2日に京アニ事件の犠牲者35人中10人の身元が公表されたことを受け、事件の負傷者の回復を祈るために始めたという。

 同寺では、灯籠をともして先祖と精霊(しょうりょう)を供養する5日の万灯会(まんとうえ)でも犠牲者の位牌を用意し、法要を行った。同寺の仲田順英(じゅんえい)執行・総務部長(55)は「宗教のあり方として、何もしないのはありえない」と語り、いまも毎朝の勤行で位牌に祈りをささげている。

 先祖の霊を迎えるお盆行事「六道まいり」で知られる同市東山区の六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)でも毎日、境内にある供養塔の前で精霊供養を行っている。お盆は先祖だけでなく、あらゆる精霊の供養を施す意義があるといい、坂井田良宏(りょうこう)住職(72)は「京アニ事件で犠牲になった方々に対しても、思いを込めて供養している」と話した。

 京都府宇治市を舞台にした京アニ作品「響け!ユーフォニアム」に登場する宇治神社では、犠牲者の冥福と負傷者の回復を祈る絵馬の奉納が相次いでいる。事件以降、京アニの復興祈願をしてほしいという声も多く寄せられているといい、同神社では後日、祈願祭を執り行う予定という。

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