簡単で効率良い遺伝子改変ラット作出技術開発 京大など

 遺伝子改変されたラットをより簡単に、効率よくつくる技術を開発したと、京都大の本多新(あらた)特定准教授(実験動物学)らの研究グループが、9日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に発表した。ラットを用いた研究が容易になり、マウスで再現できない生命現象や病気の研究促進につながると期待される。

 マウスやラットは、生命科学の実験で哺乳類のモデル生物として一般的に用いられているが、ラットはマウスより記憶・学習能力が高く、糖尿病を自然発症するなど人間との類似点も多いことで知られる。一方、実験用のラットを作るにはマウスと比べても技術的なハードルが高く、現在も一部の研究者が作出できるのみだという。

 グループは、多くの卵子が採取できる方法を開発するため、生後3・5~5・5週の若いメスの個体に排卵周期をコントロールするホルモンなどを投与。その結果、1頭あたり平均2・2個しか採卵できないラットから平均42個の卵子が得られたほか、ラットを麻酔で眠らせてから採卵することで、高い確率で体外受精できることも発見した。

 さらに、体外受精した受精卵に電気やウイルスを加えることで、特定の遺伝子を破壊したり置き換えたりするゲノム編集について遺伝子破壊は100%、遺伝子置換は約33~47%という高効率で実現。実験用のラットとしての高い効果が期待できるという。

 本多特定准教授は「ラットを使った研究が活発になれば、マウスでは再現できない生命現象や病気の研究が進展する。多くの研究者にこの技術を知ってもらえるよう、積極的に普及したい」と話している。

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