京アニ放火で犠牲の西屋太志さん、精緻なデッサンに定評

 京都アニメーションの放火殺人事件で、精緻なデッサン力による人物描写で、アニメの根幹となるキャラクターデザインを担ってきた西屋太志(ふとし)さん(37)の死亡も確認された。京アニを支えるハイレベルな作画現場の気鋭のクリエーターとして、魅力的なキャラクターを次々と世に送り出してきた西屋さん。今年7月、「劇場版 Free!-Road to the World-夢」が公開された直後の事件。京アニは影響力の大きい次世代の主力アニメーターを失った。

 西屋さんは、入社以来アニメーターとして活動を続け、高校生の日常を題材にしたギャグアニメ「日常」で初めてキャラクターデザインを担当。高い技術を持つ作画集団の主力として活躍した。

 京都・宇治の高校吹奏楽部を舞台に生徒の青春群像劇を描いた「響け!ユーフォニアム」シリーズのスピンオフ作品「リズと青い鳥」では、キャラクターデザイン、総作画監督を担当。精緻なデッサン力を発揮し、自身と描き方が異なる先輩アニメーターが元々デザインしたキャラも、イメージが崩れないよう繊細なタッチで描写した。「西屋さんだから信頼して任せられる」「西屋さん(の絵)がこの映画の大きな部分を占める。音楽も効果音も(西屋さんの絵に)寄せていった」と制作陣から称賛された。

 キャラの体のパーツの色気を引き出すデザインにも定評があった。京アニ作品では珍しい男性キャラクターが中心の「Free!」では、水泳に打ち込む男子生徒の肉体美を見事に描いた。

 一方、プロ野球・広島カープの熱烈なファンとしての一面も。京アニホームページにあるスタッフブログでは、平成28年のカープ優勝を「本当に、本当に現実になる日が来ようとは…」と興奮冷めやらぬ様子で投稿していた。

 元同級生の男性会社員(37)=広島県尾道市=も西屋さんについて「野球好きで、よくカープ戦に行っていた。高校でも野球かソフトをやっていた。西屋さんの両親を交えてカープの試合を見に行ったこともある」と振り返る。

 「昔から絵をよく描いていて、漫画のキャラを描いて見せてくれたのを覚えている。京アニに入社したときは喜んでいて、入った後も仕事は大変そうだったけど、楽しそうにやっていた」と話した。

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