iPS使い動物体内で人の臓器づくり 国内初、文科省が東大の計画了承

 東京大の中内啓光(ひろみつ)特任教授らが計画している人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って動物の体内で人の膵臓(すいぞう)を作る国内初の基礎研究について、文部科学省の専門委員会は24日、実施を了承した。チームは正常に臓器ができることを確認して将来の移植医療に役立てることを目指し、近く研究を開始する。

 計画によると、膵臓や腎臓、肝臓などの臓器ができないように遺伝子を改変したマウスやラットの受精卵に、人のiPS細胞を入れて「動物性集合胚」を作る。これをもとの動物の子宮に戻し、iPS細胞からできた膵臓などの臓器を持つ胎児に成長させる。今回は臓器がうまくできる条件を解明することが目標という。

 カニクイザルやブタの受精卵にもiPS細胞を入れることを計画しているが、当面は子宮に戻さず培養するだけにとどめ、iPS細胞の比率などを調べる。研究が進展したら明治大と共同で、ブタの子宮に戻してiPS細胞からできた膵臓を持つ胎児を作る方針。

 チームは将来的に、ブタの体内でつくった人の膵臓を、血糖値を下げるインスリンが膵臓から分泌されなくなる1型糖尿病などの患者に移植し、治療に役立てることを目指している。

 文科省は、動物性集合胚を子宮に戻して動物を誕生させる研究を禁じてきた。だが、3月に指針の改定で解禁されたことから、中内特任教授らが6月、初の申請を行っていた。

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