「プラごみは燃やせ」は暴論か正論か 中部大・武田特任教授が提唱、東京23区は「可燃」分別で実践

 レジ袋有料化や飲食店でのプラスチックストロー廃止など、環境対策としてプラスチックごみを減らす取り組みが相次いでいる。こうした風潮に「レジ袋もストローも燃やせばいい」と異論を唱えるのが、中部大学総合工学研究所の武田邦彦特任教授だ。東京都内ではプラごみを可燃ごみとして燃やしている現実もある。世界の潮流とは真逆にもみえるが、暴論か正論か。

                   

 大阪で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合では、プラごみの海洋流出を2050年までにゼロにするビジョンで合意した。

 コンビニ大手のミニストップは千葉県内の2店舗でレジ袋を有料販売する実験を開始した。海洋汚染の原因とされるプラごみの削減が狙いだという。コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンも2030年に向けてレジ袋を紙製に変更するほか、ファミリーマートやローソンも今後、環境に配慮した取り組みを加速させる。

 日本はこれまでリサイクルしきれないプラごみを輸出してきたが、有害廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約の締約国会議が今年5月、汚れたプラごみを規制対象に加える改正案を採択した。

 レジ袋やストローを含むプラごみが目の敵にされている状況だが、武田教授はこう言い切る。

 「プラスチックはどんどん燃やせばいい。燃やさないから、処理しきれなかったプラごみが海洋ごみとなる。ダイオキシンが出て環境に悪いという学者もいるが、今は高温で燃やす焼却炉もあるため問題はない。そもそもレジ袋は体積が小さいので減らしてもほとんど意味がない」

 武田氏の考えを実践しているといえるのが東京都だ。09年3月から東京23区すべてでプラごみを可燃ごみに分別している。焼却の際に熱エネルギーを回収・利用できるサーマルリサイクルを活用できることや、埋め立てる最終処分場が限られていることが理由だ。

 環境問題に関するウェブメディア「エコトピア」などに記事を執筆するジャーナリストの杉本裕明氏は、「都の取り組みのように燃やせばコストが安く、高温であれば害が少ないともいわれるが、塩化ビニールを大量に燃やすため、施設の痛みが早くなり、結局は修理・保全でコストがかかることになる。一度正確なコストを試算する必要はあるが、東京都も世界的な動きに合わせる必要があるだろう」と見解を示す。

 都も4月の廃棄物審議会の中間答申では、使い捨てプラスチックの削減やバイオマスの利用促進などを掲げている。学者や有識者の間でも意見が分かれるだけに解決も簡単ではなさそうだ。

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