連休明けが危険な「心臓突然死」 倒れたら迷わずすぐに救命処置を

【連休明けが危険!心臓突然死】

 連休でなまった体を動かすには、ちょうどいい季節。だが、用心してほしい。ジョギングに挑戦したとたん、急に意識を失って心臓が止まるようなことは起こり得る。そうならないために知っておきたい「心臓突然死」の知識を専門医に聞く。

 心臓突然死は、健康に見えた人が急に発症し、24時間以内に亡くなること、と定義されている。国内では年間約7万人と推計され、スポーツ中のみならず、日常生活の活動中、安静時や睡眠時にも突如として起こる。

 「心臓突然死の最大の原因は心室細動です。心臓は、拍動でポンプのように血液を押し出しますが、そのポンプの働きがうまくいかなくなり、血流が止まってしまうのです」

 こう説明するのは、AOI国際病院(川崎市)循環器内科部長・不整脈先端治療センター長の平尾見三医師(東京医科歯科大学名誉教授)。今年3月まで東京医科歯科大学医学部附属病院不整脈センター長として、診断・治療・研究を行い心臓突然死に詳しい。

 心臓は4つの部屋に分かれ、左側の上の左心房から下の左心室へ流れた血液が、大動脈に送られ全身に届けられる。心臓の動きは心臓の筋肉に流れる電流の波によって起き、1分間に約60~80回、心房と心室とが規則正しく縮んだり、拡がったりする。ところが何らかの理由で心室の中で異常に早い電流の波が発生すると、左心室がプルプルと震えるような細動を起こしポンプ機能が失われる。これを心室細動という。

 「心室細動は、発症から30秒で血圧が一気に下がり、脳への血流が止まります。発症からすぐに救命処置を行わないと、1分経つごとに生存率が約10%ずつ減ると報告されています。倒れた人がいたらすぐに救命処置を行ってください」

 心室細動が生じやすい主な要因は、生活習慣病や、過度なストレス、睡眠不足など。異動や転職で職場環境が変わった人も要注意だ。ストレスを抱え、睡眠不足も続き、連休も家族サービスで休む暇もなかった人もいるだろう。そうした状態で急にスポーツをすると、心室細動が起きやすい。

 「過度なストレスは、カテコラミン(カテコールアミン)という物質を分泌させて交感神経を活発にします。もともと高血圧を抱えている人は、さらに血圧が上がり、心臓の動きも激しくなって、急なランニングなどで負荷がかかると心室細動を起こしやすいのです」

 平尾医師によれば、心室細動は、狭心症や心筋梗塞でも起こる。それらを発症しやすい生活習慣病を抱えた人は、そうでない人に比べて突然死のリスクは高まるのだ。

 「生活習慣病は、食生活の見直しと適切な治療で改善することが大切です。日頃から、胸が痛む、胸が締め付けられる絞扼感(こうやくかん)がある人は、循環器内科で検査を受けることをお勧めします」

 いざというときの救命処置と日頃から自分の心臓状態を把握してくことが大切だ。(安達純子)

 ■意識を失い無呼吸になった人への対処法

 (1)人を呼び救急車へ電話をかけてもらいつつ、心臓マッサージをする

 (2)心臓マッサージは、胸の中心を両手が5センチ程度沈むように、圧迫しながら強く押す。1分間100回程度が目安

 (3)他の人に頼んでAEDを持ってきてもらう

 (4)AEDの電源を入れ、機械の発する指示に従って使用する

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