約30年に及んだ平成時代…改元と新たな皇室像 日本のありようとは

【日本の議論】

 約30年に及んだ平成時代が終わり、1日から令和時代が幕を開けた。憲政史上初となる天皇陛下の譲位に伴う皇位継承と今後の皇室像、さらに世界の中で唯一元号を保持する日本のありようとはどういったものなのか。皇室制度に詳しい国学院大学名誉教授の大原康男氏と作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏に聞いた。

 大原氏「令和にふさわしい天皇像を」

 --譲位された上皇さまは常に国民に寄り添うことを最も大切にしてこられた

 「上皇さまが父にあたる昭和天皇と最も異なったのは『象徴天皇』という立場を即位から譲位まで全うされたことだ。昭和天皇が担われた時代は、動乱の戦前期から始まり、敗戦・占領期を経て経済大国へと成長していくという波瀾万丈な御代(みよ)だった。その中で昭和天皇の立場も国家元首から象徴天皇へと大きく変化した。上皇さまは物心ついたときから昭和天皇の思いや苦悩も間近でごらんになりながら国家国民のための天皇像を模索され続けたのだと思う」

 --天皇陛下は新時代の天皇像を示されることになる

 「国際情勢を俯瞰しても、これからの時代は日本がどのように進んでいくのか分からない時代だ。日本の周辺には中国や北朝鮮が取り巻いており、同盟国・米国は『世界の警察官』を辞めようとしている。このような時代に日本国民の統合の象徴という役目を果たされるのは大変なことだ。ただ、陛下は若い頃から(鎌倉時代の)花園天皇が皇位継承者に向けて天皇のあるべき姿を説いた『誡太子書(かいたいししょ)』に親しむなど、天皇として何をなすべきかを学んでこられた。皇室の歴史や伝統、日本の国柄を踏まえた上で、新しい時代にふさわしい天皇像を示されるのではないか」

 --即位に伴い皇位継承資格者は秋篠宮さま、秋篠宮家の長男、悠仁さま、上皇さまの弟の常陸宮さまの3人となった

 「皇位継承の問題は、小泉純一郎政権下でも議論が行われたが、目指していたのは女性・女系天皇を認めることだった。皇統は126代にわたって一度の例外もなく男系で継承されており、女系天皇が継承すれば万世一系は断絶し、別の王朝が始まることになる。そのとき、国民は統合の象徴として受け入れることができるだろうか。戦後、皇籍離脱した旧皇族の子孫に皇族に復帰していただき、宮家の拡充を図ることが安定的な皇位の継承には望ましい。平成が始まった30年前から取り組むべき課題だったのに、いまなおできていないのは政治の怠慢だ」

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