次世代の「動物看護教育」への道… ヤマザキ学園、新たに専門職短期大学を開学

 人と動物がともに暮らせる豊かな社会を構築するには、動物関連業界で活躍する人材を養成する「教育」が最も重要だと考える。動物看護教育のパイオニアとして半世紀に渡って、教育・研究を行ってきた学校法人ヤマザキ学園(山崎薫理事長)はこの度、55年ぶりの新学校種となる専門職短期大学第1号「ヤマザキ動物看護専門職短期大学」を東京都渋谷区松濤に開学した。

 開学・入学式には、第1期生となる「動物トータルケア学科」の学生(3年制・定員80人)と父母、来賓、教職員、関係者が参列した。筆者も開学式にお招きいただいた1人だが、この新しい高等教育機関には、全国から17校が申請し、3校が認可を得たと理解している。

 ヤマザキ学園は1967年の創立以来、創始者山崎良壽先生の動物愛護の精神を受け継ぎ、職業人としての実践的かつ応用的な能力を発展させることを目的に人材養成を目指してきた。創始者と現在の山崎薫理事長は、50年以上に渡って、「生命への畏敬」「職業人としての自立」を掲げ、「生命(いのち)を生きる」という教育理念のもと、動物看護教育のリーダーとして動物医療や動物関連産業に貢献できる人材の養成に励んできた。

 山崎理事長をはじめ、教職員、関係者の皆様のご尽力により、昨年11月に認可され、今年4月の開学に間に合ったもので、誠にご同慶の至りである。

 同校の「動物トータルケア学科」では、伴侶動物であるコンパニオンアニマルの生から死までに寄り添うカリキュラムとして、「動物口腔(こうくう)ケア論」「動物リハビリテーション論」「動物看護ソーシャルワーク」のほか、日本の高い高齢化率28・2%の高齢社会や、子供の数が37年連続減少している少子化に対応し、ペット関連産業を担う人材養成のために、「少子高齢社会と人口問題」「訪問看護・在宅ケア」、また「産業論」および世界や日本で変化が激しい「消費者行動分析学」など、特色ある科目を配置した。

 専任教員の4割以上が実務家教員であることは心強い。また、産業界の協力を得ながら学外での臨地実務実習450時間という教育体制を整えたことは、学生にとって素晴らしい経験になるであろう。昔は机上の教育が多かったが、ヤマザキ動物看護専門職短期大学では、動物医療を含むペット関連産業において、産業界と消費者(飼い主)と動物を赤い糸でつなぐ新しい価値観を持った動物看護師が養成されることになる。

 創立以来、ヤマザキ動物専門学校、ヤマザキ動物短期大学(2012年閉学)、ヤマザキ動物看護大学などを通して、1万3000人以上の卒業生を社会に輩出し、人と動物が共生し、豊かで平和な社会を築くために、教育研究の発展に一意専心している。

 創始者生誕100年の記念すべき年に新たな専門職短期大学が開学したことは、新たな次世代の「動物看護教育」への道を切り開いたといっても過言ではない。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ