首からくる肩の痛みは「枕」で解消! 眠っている時と起きている時で違う「姿勢の整え方」

 いわゆる「肩こり」と、前回説明した五十肩や腱板断裂(けんばんだんれつ)は、痛みが起こる部位もメカニズムもまったく違うが、併発することもあるため、五十肩だと思いこんでいる人は多い。また首が原因で肩や腕が痛むこともあるが、それらを含め自分の年齢から五十肩だと思っている人も多いだろう。

 しかし、痛み出してから3カ月以上たっても痛みが引かない、あるいはマッサージに行ったり温めたりしても、わりとすぐに症状が戻るのを繰り返す場合は、首から来る肩こりと関連する可能性が高い。日本整形外科学会の専門医で首や腰の症状に詳しい、16号整形外科(神奈川県相模原市)の山田朱織院長は、「肩が痛いほうの腕が、痛くてもゆっくりでも垂直に上げられるのであれば、五十肩ではない可能性が高い」と話す。とくに肩の痛みが朝起こる場合は、睡眠時の姿勢が悪くて起こっている首の障害の可能性が高いそうだ。

 「頚椎、つまり首の骨や神経は、さまざまな症状の原因になります。肩から腕までの痛みであったり、運動の障害であったり、頭痛やめまい、手のしびれとなど、いろいろな症状の元が頚椎にあることが多いのです」

 肩こりを含めた、頚椎から来ていると考えられる症状に対しては姿勢を整えることがまず大切、と山田院長。姿勢の整え方は、眠っているときと起きているとき、そして、起きているときでも静止しているときと動いているときでは違うという。

 「動いている状態で姿勢を整えるのは、意外に簡単です。なぜかというと、体の軸が整っていて重心バランスがよくないと、効率的に動くことができないからです。そうでない状態で動いていると、どこかの部位を痛めたり転んだりしますから、そうならないように、体は無意識に軸や重心バランスを整えようとします」

 そのため、姿勢を整えるのは、運動時より静止状態、座っているときと立っているときのほうが難しいという。考え方はシンプルで、一言でいえば「りんごを頭に乗せて落ちない姿勢」をとればいいという。

 しかし、どんなに筋力のある人でも、そのような良い姿勢を保てるのはせいぜい20分が限度。そのため、よい姿勢を補助してくれる道具をうまく使うことが大切だ。

 たとえば1時間以上デスクワークを続ける場合は、小さめ、薄めのクッション等を用意する。腰枕という名前で市販されているものもある。

 お尻を動かして椅子の背もたれの奥までにじり寄ってぴったりくっつけて座ったら、椅子と背もたれの隙間にクッション等を挟み、机と体をぴったり寄せてホールドし、上半身を真っすぐにしてパソコンに向かう。これで1時間は姿勢が保てるという。1時間その姿勢を続けたら、血流の停滞と筋肉の緊張を防ぐために動いたり立ち上がったりするといいそうだ。

 眠るときに姿勢を整えるために使うアイテムは、枕である。

 「姿勢と聞くと、起きているときに整えるイメージしかないと思いますが、人生の3分の1は寝ていますので、その時間の姿勢も無視できないことは分かっていただけるでしょう。しかも意識がないので、自分で姿勢をコントロールすることはできません。睡眠時の姿勢を整えてくれる道具が枕です」

 枕を整えることで、首から来る痛みの治療のベースが整うという。次回は、枕とストレートネックについて。(石井悦子)

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