リフォームするなら考えたい「バリアフリー」 段差を解消、ドアは引き戸に

住まいの処方銭

 自宅でずっと暮らし続けられるように、リフォームするならバリアフリーも考えたい。

 一部には「身体の訓練のために10センチ以上の大きな段差を残しておく」という考え方がある。しかし、高齢者住環境研究所(東京都渋谷区)の一級建築士、溝口恵二郎さんは反対だ。溝口さんはその人の身体の状態を見ながらふさわしいリフォームを提案している。

 「運動になるといっても、段差につまずいてケガをすれば本末転倒。車椅子になったらどうしますか。リフォームするなら10センチの段差は、必ずなくしたい」とアドバイスする。

 続けて「例えば、パーキンソン病になると力がなくなり、段差が乗り越えられなくなってしまいます。工夫すれば自宅でも暮らせます。施設に入居するより衰えたからこそ、『家が一番いい』のです」とも話す。

 確かに60歳を過ぎれば、いつ急な病気になってもおかしくはない。そのときになって大規模リフォームするのは、工事音が非常に耳障りになる。精神的な負担も少なくないだろう。

 溝口さんが手がけた例には、新築の超高層マンションに住み替えてすぐ、すべてのドアを引き戸や折れ戸に変更した人がいたという。

 依頼主は、ドアの開け閉めがいずれ負担になると考えた。ドアは、引き戸より低価格で遮音性が高い。だが、今は想像できなくとも、高齢になれば開閉のために身体を前後させる動きが負担になる。転倒リスクもあり、ケガをしてからでは遅い。溝口さんは付け加える。

 「しっくい壁などには手すりはつけられません。将来、手すりの必要性を考えて壁に補強の板を入れておくと、後から手すりの設置が簡単です。ホームセンターなどで、自分で購入して設置することもできます」(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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