韓国で禁輸続くホヤ WTO「敗訴」で専門店懸念

 水産物輸入禁止措置をめぐり、世界貿易機関(WTO)の上級委員会で日本が韓国に逆転敗訴したことで、東北では驚きと戸惑いが広がった。なかでもホヤの禁輸が続いたことで供給過多に陥り、大量破棄せざるを得ない業者を応援しようとオープンしたホヤ料理専門店も「国内外に影響が広がらなければいいのだが」と懸念。魅力を伝え続けることで「まずは県内、国内の家庭で消費を拡大させたい」と逆境にも将来を見据えた。

 平成29年7月に開店したJR仙台駅前にある「まぼ屋」(仙台市青葉区)。宮城県名取市閖上地区にも店舗を構える。刺し身やホヤ酢などの定番メニューから、空揚げやドリア、パスタなど約40種類のメニューを用意。好みが分かれるホヤだが、週末は予約が取りづらい人気店となった。

 昨年には同店の運営会社「飛梅」が4月8日を「ホ(フォー)ヤの日」として日本記念日協会に申請し、7月に認定された。今年は初のホヤの日に合わせ、閖上でのホヤむき体験など県内各地でイベントが開かれたほか、同店をはじめ仙台市内の飲食店33店舗合同でホヤメニューのフェアを開催している。

 ホヤ消費拡大の機運が高まる中での逆転敗訴。飛梅の社長、松野水緒さん(39)は「敗訴するとは思っていなかった。養殖業者と身近にふれあうので、期待をひしひしと感じていた」と話す。一方で「勝訴したとしても、韓国が禁輸を解くかは別問題だと思っていた」と冷静にも受け止めている。ただ、禁輸が継続されることで国内外への影響も懸念され、「世界へ風評が広まるきっかけにならなければいい」と顔を曇らせた。

 ホヤはミネラルなどの栄養分を多く含み、多様な味を感じられることから子供の味覚発達にも役立つなど「メリットが多い」という。

 「まずはホヤを知ってもらうこと。宮城が生産のほとんどを占めているので、家庭でもホヤを消費してもらうことが消費拡大に向けて大切だ」

 松野さんは今後もホヤ料理の提供や情報発信を通じて養殖業者の後押しを続けたい考えだ。

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