英国から牛肉、23年ぶりに輸入解禁 羊肉も初めてお目見え

 日本で長い間途絶えていた英国産の牛肉(ビーフ)の輸入が23年ぶりに再開された。1月のロンドンでの日英首脳会談に合わせて日本の厚生労働省が輸入解禁を発表したことに基づくもので、同時に、英国産の羊肉(ラム)の輸入も初めて認められた。畜産業者らによる英国産肉貿易使節団が3月に来日して、英国産肉の特徴や調理を紹介し、日本での消費拡大に意欲をみせた。

 「英国は温暖な気候で豊かな牧草地が広がり、畜産は自然で粗放的な牧草飼育主体の伝統がある。牧草飼料は穀物飼育の肉牛と比べて、食肉中の不飽和脂肪酸(オメガ3)の含有レベルを高めることが分かっており、健康に良い食肉が生産できる。高規格の熟成と安全管理で、風味ある柔らかな食感も生み出している」

 3月4日、駐日英国大使館(東京都千代田区)での「英国産肉に関するセミナー」で、使節団を率いる英国農業園芸開発公社のフィル・ハドリー国際ダイレクターは、英国産肉の特徴をこう紹介した。

 英国産牛肉の日本の輸入は、牛海綿状脳症(BSE)問題で1996年に禁止されて以来。羊肉の輸入は初めてだ。「それぞれの見本が日本に届いたときは歴史を感じた。品質と安全性を確認してほしい」と大使館の担当官。ハドリー氏は「春は芽吹きの季節。それはチャンスを意味する。ぜひ、英国産肉のおいしさを味わってほしい」と訴えた。

 英国産肉は赤身肉の評判が高い。赤身肉が注目されているとはいえ伝統的に霜降り肉の人気が高い日本で、「ヘルシーな赤身肉」が広まることを英国側は期待している。

 英国産肉は、3月5~8日に千葉県の幕張メッセで開かれた「FOODEX JAPAN 2019」でも紹介された。英国の歴史ある名門カントリークラブ「ストークパーク」で腕を振るっている著名シェフ、クリス・ウィーラー氏が来日。赤身肉を使った調理を実演し、「料理の選択肢が広がるはず。日本で初めての味わいです」と語った。

 英国の牛肉の産地は中北部と西部の丘陵地が中心で、年間生産量は89万5000トン、産出額は29億8900万ポンド(約4361億円)。羊肉はスコットランド南部とウェールズ北部に集中し、年間生産量は29万7000トン、産出額は11億9700万ポンド(約1749億円)。その規模は世界3位で、総生産量の35%以上を輸出している。日本の輸入解禁を受け、英国は今後5年間で、牛肉と羊肉で計1億2000万ポンド(約175億円)の対日輸出を見込んでいる。(蔭山実)

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