地球倫理推進賞表彰2団体、活動語る

 社会貢献に取り組む団体や個人を表彰する第22回「地球倫理推進賞」(一般社団法人倫理研究所主催、文部科学省・産経新聞社など後援)が国内の2団体に決まり、3月29日、東京都内で贈呈式が行われた。受賞2団体の長年にわたる活動を紹介する。(油原聡子)

 ■「ジャパンハート」 医療や教育で「恩返し」 人財育成も

 国際活動部門で受賞した「NPO法人ジャパンハート」。最高顧問の吉岡秀人医師が、かつてミャンマーを訪れた際に旧日本兵が現地の住民に助けられたことを知ったのをきっかけに、平成16年から活動を始めた。ミャンマーを始め、カンボジア、ラオスに年間延べ700人以上のボランティアを派遣し、医療を無償提供している。「『医療の届かないところに医療を届ける』が私たちのミッションです」と吉岡春菜理事長(40)。

 カンボジアに小児がんなどの治療を行う病院を開設し、診療だけでなく人材育成も担う。26年からは、国内外の心臓病の子供を救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)とともに、ミャンマーの小児循環器医療に対する支援事業も実施している。

 吉岡理事長は「現地は貧しい人たちが安心して治療を受けられる環境ではなく、医療人材も不足している。戦争中の恩返しの手段として、医療や教育の輪が広がっていけば」と話している。

 ■「ゆずり葉の郷」 社会の犠牲者 傷ついた子供に未来を

 国内活動部門を受賞したのが、NPO法人「奄美青少年支援センターゆずり葉の郷(さと)」だ。平成12年に設立され、鹿児島県の奄美大島で、恵まれない子供の居場所を作ってきた。三浦一広所長(63)は「問題を抱える青少年は社会の犠牲者。親の愛情に飢えた孤独な子供が多い。未来ある子供たちに前向きに歩んでもらいたい」と話す。不登校やいじめ、薬物などの問題を抱えた青少年を支援。年間の相談件数は2千件を超えるという。

 16年には、かつての非行少年らで「名瀬市少年警護隊」を組織し、市内の防犯パトロールや地域の美化活動に取り組み、犯罪認知件数を半減させた。三浦所長は、「社会から許されず、ほめられることもなく、感謝されることもなかった彼らが、関わり方一つで大きく変わる。今の日本には、子供たちを温かく見守るまなざしが足りない」と指摘する。

 今では、自立援助ホームも運営し、全国から問題を抱えた子供たちが訪れる。三浦所長は「人間は生まれながらに平等でないといけないのに、環境で傷ついてしまう。子供たちが就労したり、自立したりと幸せになるのを見届けたい」と笑顔を見せた。

【用語解説】地球倫理推進賞

 民間の社会教育団体「倫理研究所」(丸山敏秋理事長)が平成10年に設けた賞。教育・文化・医療・環境・地域開発などの分野で5年以上活動を続けてきた個人・団体に贈られる。22回で計36団体・個人が表彰された。

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