サクラを愛でるなら退治を! クビアカツヤカミキリ被害急増中の館林市や県が対策に本腰

 館林市や太田市など東毛を中心に被害が広がる特定外来生物クビアカツヤカミキリ。今週末、満開予定の館林市のサクラも格好の餌食となり、約400本の被害が確認されている。そんな中、県が初の防護対策講習会を開催し、市も「さくらまつり」を楽しむ市民らに生態系を守るための注意喚起を呼びかけるなど、大発生する夏場に向け準備に本腰を入れている。(橋爪一彦、写真も)

 〈注意 拡散防止のため関係者以外のカミキリムシ採取を禁止します〉

 3月下旬から始まった館林市の「さくらまつり」メーン会場、鶴生田(つるうだ)川沿い。満開を控えた約400本のうち被害が深刻な古木3本は根元から伐採され、被害が確認された30本には「採取禁止」を呼びかける紙が貼られた。サクラを愛で続けたいなら被害拡散を阻止しよう-というわけだ。

 栃木県小山市から家族連れできたという本田哲さん(33)は「群馬の有名なサクラ並木で検索したら館林が出たので来た。こんな美しいサクラ並木が虫の被害で無くなったら、大変だ」と顔を曇らせた。

 中国や台湾などが原産のクビアカツヤカミキリは、サクラのほかウメやモモなどの木に産卵し、幼虫が2~3年かけ樹木内部を食い荒らし木の枯死や落枝、倒木などに至る。県内では平成27年7月に館林市で発生が確認され、東毛地域で被害が拡大、昨年夏の県の調査で館林や太田、邑楽、板倉など7市町村の255カ所で1510本の被害が確認されている。

 体長25ミリ~40ミリ。光沢のある黒色に胸部が赤い珍しい特徴から、当初は昆虫マニアが密かに採集し被害が拡散したとされた。昨年1月に特定外来生物に指定されて飼育や販売等が禁止となり、生きたまま持ち運ぶことは違法となった。

 だが被害拡散は止まらない。現在は冬眠中のため木の周辺で見かけることはないが、夏場の7月以降、成虫となって木から出てくると、交尾して樹木に卵を産み付ける。ここを食い止めないと被害は増大する。現在は東毛中心の被害地域も北上しかねず箕郷、安中、榛名といった梅の産地への拡散も危惧されている。

 県も対策に本腰を入れ、クビアカツヤカミキリの生態や農薬メーカーによる防除実習などを盛り込んだ「対策強化講習会」を大泉(4月22日)▽桐生(5月14日)▽太田(同16日)-の3会場で無料実施する。対象は造園や緑化事業者から学校、施設管理者、自治体担当、市民までを想定。こうした講習会は初めて。県自然環境課では「大量に枯死したり伐採したら、もとに戻すには20年、30年とかかる。農業被害も懸念されるが、まずはサクラを守りたい。それには成虫が樹から出る前に潜んでいる穴に農薬を注入するのが最も効果的。講習会で周知していきたい」と話している。

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