ノーベル賞受賞の本庶佑氏 基礎研究環境に危機感

 10月1日、本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授(76)のノーベル医学・生理学賞の受賞決定という朗報に日本中がわいた。

 免疫を抑制するタンパク質「PD-1」を発見し、画期的ながん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につなげ、がん治療に新たな道を開いた功績が評価された。日本人として2年ぶりのノーベル賞受賞だった。

 研究室メンバーからは「厳しい評論家だ」といわれ、研究に打ち込む姿勢の厳しさで知られる本庶さんだが、受賞が決まってからは共同研究者ら仲間への熱い思いにあふれる姿が随所にみられた。

 12月7日にスウェーデン・ストックホルムで行われた受賞記念講演でも「紹介しきれないほどの仲間に出会った。ありがとう」と締めくくり、講演の半分近くを共同研究者の功績をたたえることに割いた。

 人に迎合しない孤高の研究者という印象が強かったが、多くの共同研究者のエピソードを誇らしげに紹介する姿に、仲間を大切にする本庶さんの人間味あふれる人柄を感じた。

 仲間とともに人生の全てを研究にささげてきた本庶さんを支えたのは、患者たちからの言葉だった。「がん免疫療法はあなたのおかげだ、といわれるときが何よりもうれしい」と語り、自身の研究によって人の命を救うことへのやりがいを感じてきたという。

 その姿勢は授賞式を終えても変わらず、「(オプジーボが)効く人と効かない人を早く見分けられるようにしたい」とすでに今後の展望を見据えている。

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