地名研究室 吉祥寺(東京都武蔵野市)きっかけは明暦の大火

 住みたい街ランキングで、毎年上位にランクインする吉祥寺。JR吉祥寺駅周辺は、おしゃれな飲食店や雑貨屋が立ち並ぶ商店街などで活気にあふれる一方、緑も豊かで自然と文化が溶け合う空間として親しまれている。地名の由来を調べてみると、高円寺、国分寺など「寺」の付く地名のほとんどはそのままの名称の寺があるが、実は、この地に吉祥寺という寺院は存在しない。

 吉祥寺の歴史に詳しい成蹊大の小田宏信教授(52)によると、かつては、水道橋近くの駿河台に吉祥寺があったという。だが、明暦3(1657)年の明暦の大火などで焼損。門前町も被害に遭い、焼け出された人たちが幕府から土地を分け与えられた場所が、現在の吉祥寺だったという。

 「この地はもともと、牟礼野(むれの)という地名だったが、移住してきた者の多くが門前町の人たちだったため、吉祥寺村と呼ばれるようになった」と小田教授。現在、寺院としての吉祥寺は文京区本駒込に存在する。

 20世紀に入ると、別荘地として急速に発展。関東大震災でも大きな被害を受けることはなく、人口も増加し、都市化が進んだ。 

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