政府、有人月探査に参加 年内に方針決定

 米国が2020年代に国際協力で計画している有人月探査について、政府の宇宙政策委員会が参加の方針を決めたことが27日、分かった。来月上旬にもまとめる宇宙基本計画の工程表に盛り込み、年内に宇宙開発戦略本部(本部長=安倍晋三首相)で正式決定する。日本の有人宇宙開発の将来を方向付ける重要な節目で、政府は関連技術の研究開発に着手する。

 宇宙政策委が作成した工程表の素案では、月の周回軌道に建設する基地への参加について国際協力と技術実証を進めると明記。基地から降下して実施する月面探査も国際調整を行うとした。27日に開かれた関連会合で了承された。

 政府は昨年末に公表した工程表でも月探査に言及したが、「検討を進める」との表現にとどまっていた。

 月基地は昨春、米航空宇宙局(NASA)が構想を発表。24年にも運用を終える国際宇宙ステーション(ISS)に代わる有人拠点として、各国に参加を求めている。30年代には有人火星飛行の中継拠点として利用する。

 日米欧露などは今年3月に都内で開いた会合で、月や火星の探査を今後の国際的な目標とすることで合意。これを踏まえ宇宙政策委は、米国の基地計画が具体化してきたことや、ISSの建設や運用に関わった日本の経験を将来に生かすことなどを考慮し、参加の方針を決めた。

 各国の費用分担や、日本人の宇宙飛行士が月に行くかどうかなど具体的な内容は未定。文部科学省は「日本人飛行士の基地建設への参加や着陸の機会を確保するよう留意する」とした有識者会合の提言を受け、来年度から技術的な検討を本格化する。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)はISSの物資補給機「こうのとり」の改良型による基地への物資輸送や、月面着陸機の開発などを目指している。

 ■米国の月基地計画 月の周回軌道上に有人基地を建設する米航空宇宙局(NASA)の計画。2022~26年ごろに建設し、当初は4人の飛行士が年間最長約30日滞在する。宇宙実験や探査を行うほか、往復で2年以上かかる火星飛行に向け、長期滞在技術の獲得などを目指す。

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