人間国宝・石黒宗麿作とみられる天目茶碗を発見

 日本を代表する陶芸家として知られ、人間国宝に認定された石黒宗麿(むねまろ、1893~1968年)が制作したとみられる抹茶を飲むための陶器「木葉天目(このはてんもく)茶碗」(直径14・5センチ、高さ8センチ)が、京都精華大の研究チームによって発見された。チームによると、石黒の死後に作品が見つかるのは珍しく、作陶の様子を知る新たな手がかりになるという。

 チームは石黒の没後50周年に合わせ、その技術や活動などについて検証することを目的に、同大が管理していた工房兼住居「八瀬陶窯(とうよう)」(京都市左京区)の調査を今年4月に開始。約2カ月後、屋外にあった茶碗を作るための「登り窯」から、焼成時の「サヤ」と呼ばれる容器に入ったままの茶碗を見つけた。

 同時に灯油を使って茶碗を作る「灯油窯」も発見。これまで石黒は登り窯を使う陶芸家という認識が強かったが、晩年は灯油窯といった当時としては最新の設備を使っていたことも明らかになったという。

 銘印の文字から茶碗は晩年の作品とみられるが、作品の真がんや正確な制作年代については専門家の協力を得て鑑定を進めている。

 チームは研究成果を発表する展覧会を12月14日から同大ギャラリーフロール(同区)で開く。発見した木葉天目茶碗も展示する予定だ。研究チームのメンバーで、同大の米原有仁特任講師は「大学は石黒氏の作品を所有しておらず、残された作品の陶片などで研究を続けてきた。今回の発見で石黒氏の作陶技術をより知ることができる」と話した。

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